待つこと、待たせること:スケジュールを意識するだけでコストは下がる

待つこと、待たせることはコストに影響を与える

待つこと、待たせることはコストに影響を与えることはもちろんのこと、スケジュールを狂わせるなど、ビジネス全体に影響を与えることもあります。

ご承知の通り、トラック輸送の待ち時間は大きな問題となっています。国土交通省の『トラック輸送状況の実態調査』によると1運行あたりの手待ち時間は平均で1時間45分、3時間を超える場合が15.1%あるとのことです

例えば、1運行が11時間/40,000円だとしたら、手待ちの1時間45分は6,300円ほどのコストがかかっているということになります

そして、この待ち時間はドライバーの長時間労働の要因の一つになっています。ドライバーの働き方改革を進めるため、輸送業界では貨物自動車運送事業法の改正や契約の見直し、待ち時間を短縮するためのシステム導入など改善に取り組んでいます。

スケジュールを意識するだけでコストは下がる

ビジネスにおいては、期日や時間を厳守することは常識・マナーと言われています。業務を行うときはスケジュールに従って行っていることが大半でしょう。プロジェクト管理では、マイルストーンという言葉があります。何かが達成されなければプロジェクトに大きな影響をあたえる目標をいいます。つまり、自らの期日や締め切りは終わりではなく、何かの業務の始まりで、締め切りの先があるのです。もし、誰かが何かの達成をきっかけに業務を始めることになっていて遅れることで手待ち時間になってしまえば、手待ち時間の無駄が発生してしまいますし、プロジェクトのスケジュールに影響を与えることもあるでしょう。

もちろん、すべてがスケジュール通りにできるわけではありません。期日に間に合わない場合、「期日までの可否」「期限までに提出できない理由」「期日が遅れても可能なのか」「どの程度遅れそうなのか」このような内容を期日の前に連絡を入れ、相談することでリスク回避できる可能性があります。業務は引き継がれ別の人の業務に流れていきます。その業務をきっかけにして別の業務を始める人にとって「期限になってもできていないがどうなっているのだろうか」、「業務開始が遅れることで自分の業務は間に合わなくなるのではないか」など不安になることもなくなります。

業務を行うにあたり多くの会議や打ち合わせを行っていることと思います。その会議は予定通りの時間に始まっていますか?例えば、誰かが会議に10分遅れ誰かの到着を会議メンバーが待っていたとします。待っていたメンバーが6人いたとして6人×10分=1時間を無駄にしているのです。会議の回数やメンバーひとり当たりの人件費をかければコストが算出できるでしょう。

さて、皆さんの業務はいかがでしょうか。少しの時間やスケジュールを意識するだけで改善できるところもあるかもしれません。

この原稿を締め切りまでに書き終えなければならない私も、今そのひとりです。

(文責:真壁 由香)

【参考文献】
国土交通省 トラック輸送状況の実態調査(平成27年9月)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第418号 2019年11月27日)

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