加齢による視力の衰え:静止視力、老眼、白内障、明るさの識別

私事ですが、先日母親が60歳の誕生日を迎えました。大きな怪我や病気もなく元気で過ごしている事は嬉しくあります。以前母親に体調を尋ねたところ、至って健康で視力は今でも1.5を保っているそうです。パソコンやテレビなどで目を酷使しがちな現代としては珍しいのではないでしょうか。

そこで視力の衰えについて調べたところ、成年以上の詳しい平均視力という統計が無いようなので平均と比べることはできないのですが、平成24年度の文部科学省の学校保健統計調査によれば、高校生の60%以上が視力1.0に満たないとの事ですので、視力はかなり良い方だと言えるでしょう。

視力は倉庫作業における伝票や棚のラベルの識別などで生産性や品質に大きく関わります。そこで今回は加齢による視力の衰えについて調べてみました。

まず静止視力(静止状態のものがどれくらい見えるか)ですが、20歳代をピークにして徐々に衰えていき、60歳を境に急激に衰えるそうです。

加齢による視力への影響として、白内障と老眼が挙げられます。白内障とは、水晶体が年齢とともに白く濁って視力が低下する病気です。白内障は視力の低下だけでなく、青や緑の色が見えにくくなるといった色覚も変化します。

また明るさの識別具合も、加齢により変化します。発症年齢の割合は40代で10%~20%、50代で60%という事です。老眼は30cm前後の近くの文字が見えにくくなる症状で、個人差があるものの一般に40歳前後で自覚症状が出るそうです。

視力とは直接関係ありませんが、目の高さとして平均身長について調べてみました。

男性の30歳の平均身長:1980年/166cm 2010年/171cm
女性の30歳の平均身長:1980年/153cm 2010年/158cm

平均身長の変化からもわかるように、目線も男女と年齢によって大きく変わります。手順書や標識などが見やすい作業場であっても、もし若い人の身長に合わせてあれば見にくい状態となっているかもしれません。

以上のように、年齢の違いで視力や見え方に違いが出てきます。さらに人間の心理として「衰えたことを言い出しにくい」ということもあり、見えにくいままで放置されているかもしれません。

皆様の職場では大丈夫でしょうか、一度ご検討下さい。高齢者にとっても働きやすい、快適な職場を目指していきたいですね。

(文責:小﨑)

【参考資料】
視覚機能に見られる加齢効果

日本人の平均身長の推移
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2182.html

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第228号 2013年11月8日)

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