「物流の人材を確保するために」(その1)

2020年9月1日付で厚労省が有効求人倍率を発表しました。2020年7月の有効求人倍率は1.08倍で、前年同月に比べて0.51ポイント低下。新規求人倍率は1.72倍で、前年同月に比べて0.65ポイント低下でした。新規求人数を産業別にみると、「宿泊業・飲食サービス業」が44.0%低下、「製造業」が40.9%低下、物流に関連する「運輸業・郵便業」は30.7%低下となっています。

600人の一斉解雇を発表した某タクシー会社が、一部メディアでも盛んに取り上げられましたが、労働力不足に悩んでいた企業が一転してこのような対応を取らざるを得ないほど、新型コロナによる現在の厳しい経済環境は、さまざまなところに波及しています。とはいえ、物流業界に目を移してみると、一時的に余剰となった人材を確保して労働力不足が解消されたかというと、決してそういうわけでもありません。ついこの前まで居酒屋のホールスタッフとして働いていたが、明日からトラックドライバーで頑張ろう、とはなかなかなれないのが現実です。

そもそも「人材」の定義とは、「才能があり、役に立つ人物。すなわち社会に貢献する個人のこと。」(ウィキペディア)であり、各企業においては、その基本的な概念の上に、各社が求める人材像をさまざま定義しています。一方、求職者は、自分の能力が、企業の求める人材になり得るとの希望を持って就職活動をしていることと思いますが、大学新卒者の3年以内の離職率は32%(2016年入社)という実態になっています。労働人口が減少する中、人材確保は大きな課題ですが、その前に離職をいかに抑止することができるかも、各企業にとってさらに重要な課題です。

離職理由のほとんどが、「個人的理由」(厚労省)であり、詳細は想像するしかありませんが、そのひとつにミスマッチが考えられます。特に物流業界においては、いまだに3Kの要素が色濃く残っている現場や、多くの業務をアナログで対応している仕事に従事してみて、初めてリアルな物流業界に触れたという方が、そのギャップに葛藤してしまうということが、しばしば起きているのではないでしょうか。しかし、個人的には、物流業界に限らず、自身の思いと就職先がマッチする確率のほうが低く、ミスマッチだと感じながらも、まずは与えられた仕事や役割の中で、どのように企業と自身の関係性が構築されていくのかが大事になってくるのではないかと思っています。

そこで、その関係性における大切な要素のひとつに「エンゲージメント」があります。一般的には「約束」や「契約」という意味合いもありますが、人事的な側面からは、社員の会社に対する「愛着心」や「思い入れ」を表すものと解釈されています。より踏み込んだ考え方としては、「個人と組織が一体となり、双方の成長に貢献しあう関係」のことをいいます。次回は、この「エンゲージメント」について考えてみたいと思います。

(文責:貞 勝利)

参考: 「e-Start」政府統計の総合窓内サイトhttps://www.e-stat.go.jp/

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第441号 2020年10月28日)

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