物流コンサルタントの能力
物流コンサルティング会社の業務として、お客様の物流戦略やプロセスの改善を支援することがあります。物流は非常に複雑かつダイナミックな企業活動であり、オペレーションに精通する能力に加えて物流全体を俯瞰する能力が必要です。
物流を俯瞰する能力とは、大局を見渡す視点を持ち、物流の全体的な効率性や課題を理解することです。物流ネットワークの最適化、在庫管理の高度化、輸配送戦略策定、リードタイムの短縮、コスト削減などの要素が含まれます。
一方、オペレーションの詳細な理解も欠かせません。物流プロセスの具体的な手順や技術、それをサポートするシステムに詳しくなることで、実際の問題を特定し、効果的な改善を施すことが可能となります。例えば、倉庫の効率化、配送ルートの最適化などの領域で知識を持つことが重要です。オペレーションの詳細を理解することで、現場の要件や制約を把握し、具体的な解決策を提供することができます。
物流を俯瞰するメリット
物流を俯瞰するメリットとは具体的にはどのようなものでしょうか。
物流活動はトレードオフの関係にあるものが多く、局所的に改善を行っても側面を変えると改悪になってしまう場合があります。例えば拠点数を減らせば拠点コストや在庫維持コストが下がりますが、輸送費は上がります。リードタイムや拠点までの調達コストにも影響が出ます。物流を俯瞰することで全体（コスト）最適が図れるわけです。
また、物流はサプライチェーン上でさまざまなリスクにさらされている可能性があります。俯瞰的な視点を持つことで、リスクを識別して適切な対策を講じることができます。例えば天候やパンデミックの影響、国際物流では、政治的な不安定性などの要因による物流遅延や品質の低下に対処するための計画を立てることが可能となります。
SDGsへの取り組みとして、持続可能性の促進も物流上の重要な課題です。物流業界は環境への影響も大きく、持続可能性促進のための物流戦略の構築が求められています。エネルギー効率の向上、CO2排出削減、環境に配慮した輸送モードの選択など、環境に配慮した取り組みを実現するための戦略を策定できます。
新たな機会やイノベーションが発見できる可能性さえあります。市場の変化や技術の進歩に対応し、新たな物流サービスやビジネスモデルを構築することで、企業競争力を強化することができます。
以上のように物流を俯瞰的に見ることでさまざまなメリットをもたらします。わたしたち物流コンサルタントはこれらの要素を総合的に考慮し、戦略的なアプローチで物流を改善しています。
（文責：釜屋 大和）
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（ロジ・ソリューション（株） メールマガジン/ばんばん通信第507号 2023年6月28日）
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