2013年に1000万人を突破した訪日外国人旅行客数は、2015年には1974万人とほぼ倍に推移しており、観光庁は2020年の東京オリンピック開催時に2000万人を目標にしているそうです。このいわゆるインバウンドをターゲットにしたビジネスは、今後ますます活況を帯びることは想像に難くありませんが、そのうえで、これらの旅行客の往来とともに、世界の多くのビジネスリーダー達も、日本を訪れる機会が増えるのではないでしょうか?そして、日本をビジネス拠点として考える優秀なリーダー達によって、新たなビジネスを展開する企業が出てくるかもしれません。
「世界の人たちを友人として結んでいく」との企業理念のもと、観光ホテル・リゾート開発事業を世界的に展開している星野リゾートの星野佳路社長が、あるセミナーでリーダーに求められる要件を5つ上げていました。
1つ目は、「コミュニケーション力」。それは、より多くの方々に共感を得るコミュニケーション力であり、従って英語力も必須だということです。実際、日本国内の宿泊施設において星野リゾートの社員が早くから英語力を磨いてきたことは、海外投資家から高く評価されているそうです。
2つ目は、「事実を把握すること」。リーダーが発言する際、事前にその裏付けとなる事実や実態を把握し、正確な数字に基づいて発言することが大事だとしています。
3つ目は、特に大事な「決めること」。ダメなリーダーの多くは中々決められない人で、その理由のほとんどは自信の持てる正解に辿りつかないからだそうです。リーダーは、限られた情報で判断に迫られることが多く、間違ってもいいので早く時間内に決める能力が大事だと星野氏は強調しています。確かに、物流改善提案をする際に、ありとあらゆるデータを解析しようと思えば、時間がいくらあっても足りません。リーダーは一定の情報で決断し、早期に施策を立案遂行することが求められます。
4つ目は、「率直さ」。3つ目にあげた決断力が必要とはいえ、リーダーは迷うことも困ることもあり、その姿を部下にも率直に見せることが大事だということです。それは、何か不安を隠していることで、余計に部下を不安にするからだそうです。また、リーダーが意思決定したらなるべく早く伝える姿勢が大事で、自身の胸にしまい込んでおかないこと。リーダーに求められるのは完璧さではなく、率直さや誠実さであることを忘れてはならないと提言しています。
5つ目が、「質素倹約」。リーダーが部下を評価するように、部下もリーダーを評価しています。そして、方針を示すリーダー自身の姿勢や態度そのものが見られており、質素倹約は大事な要素になるそうです。海外でも、リーダーの質素倹約の姿は大変評価されているとのことでした。
さて、冒頭述べたように、近い将来多くのビジネスリーダーと接点を持つ機会が増えたとしたら、星野氏が提言するリーダーの要件を兼ね備えているリーダーは、きっと共感していただけるでしょう。また、これらの要件は優秀なコンサルタントに求められるものと重なっているように感じ、私自身も反省させられます。将来の自分自身のあるべき姿を見据えながら、一歩ずつでもいいので、着実に成長しなければと決意しました。
(文責:貞 勝利)
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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第360号 2017年6月14日)