人が育つ組織とは(1):コロナ禍で拍車がかかった人に関する悩み

コロナ禍が採用、教育、コミュニケーションに深刻な影響を与えた

人間の生活の多様化に拍車をかけ、世界中で大きな変化をもたらした激動の2021年も終わりを告げ新しい年がスタートしています。

コロナの影響が2年以上も続くとは安易に想像できず、社会の脆弱性、人の弱さにも直面したことで、真剣に自らの生き方を考える良い機会ともなりました。

ビジネス界に目を向けると、世界的なロックダウン、物価の高騰、物流の停滞、多くの倒産などがあった反面、柔軟に変化に対応し、業績を伸ばしている企業もあります。また諸外国では、少子高齢化、人口減少に対応すべく、様々な分野で積極的にデジタル化がすすめられ、業務の効率化、省人数化された組織が構築されています。

しかし、日本に目をむけると、残念ながら諸外国のそれに比べるとおくれを取っているように感じてしまいます。さらに、多くの人手を介して作られる「Made in Japan」の製品が見直されてきている動きもあり、これからも、「人」に頼る時代が続くのではないでしょうか。

私はこの2年間、積極的に様々な方と話をする機会を作り、率直なご意見を伺いました。そこで、企業の大小にかかわらず多くの方が、「人」に関し悩みをもっていらっしゃることがわかりました。もちろんこの悩みは、コロナ前からあります。しかし、生活様式が大きく変わったことで、さらに深刻な問題となり、採用、教育、そして基本的なコミュニケーションなど多岐にわたっています

どれだけ人に興味をもつかが大事

人の集合体である組織を形成する個は、性格、性別、国籍も異なります。その組織が、最高のパフォーマンスを発揮するためには、特別なテクニックはありません。なぜならば、小手先でどうにかなる簡単な問題ではないからです。しかし私は、過去の経験を通じ、「人」に関する課題を克服するために重要なことが一つだけあると考えています。それは、「どれだけ人に興味をもつか」です。

組織が、目標達成に向けてチームを成長させるためには、個に興味をもち、個が求めていること、個が抱えている問題、そして個を組織化するために阻害している要因をしっかりと把握することが唯一の解決方法だと考えています

ここで、個の求めていることを理解するために私が常に意識している「マズローの法則の5段階」をご紹介します。

ご存知の方も多いかもしれませんが、第一の欲求は「生理的欲求」、第二の欲求は「安全の欲求」、第三の欲求は「社会的欲求」、第四の欲求は「承認欲求」、そして、第五の欲求は「自己表現の欲求」、となっています。

五つの欲求は、決してランダムに満たしてはいけません。第一の欲求から第五の欲求までを順番に満たすことが重要です。個が発している欲求を感じ取るためには、やはり興味というアンテナを常に立て、感受性を高めておかなければ受け取ることができないのではないでしょうか。その結果、個を組織化することができるようになるのではないかと私は考えております。(次号へ続く)

(文責:長久 佳典)

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