輸出業務の完全電子化に驚く
4月13日の日経産業新聞に村田製作所が輸出業務をすべて電子化したというニュースが掲載されていました。これまでFAXや郵送という紙で行っていた業務を電子メールで24時間やり取りできる仕組みに変えたそうです。この電子化により納期3日が1日に短縮でき、また業務コストも大幅削減可能となったそうです。輸出業務の取引すべて電子化するのは珍しいとのことです。(4月13日 日経産業新聞1面)
「電子化」というキーワードで思い起こされるのは、学生の頃、授業の一環として倉庫会社に就職したOBの話を聞いた時のことです。OBの話の中で一番印象に残ったのはEDIの話でした。まずEDIというものの説明からはじまり、これからはどんどん電子化が進むという話でした。
この話を聞いたため、私の中で輸出入や受注のやり取りはすでに電子化されているんだ、という勝手なイメージが膨らんでおり、数年後、入社後の現場実習の際、紙を使用して業務を行っているのを見て少し驚いたことがあります。その際先輩に電子化について伺ったところ、業務にはいろいろな企業が関係しているので、他企業の理解と協力が得られないと難しい、という話をきき納得したことを覚えています。
書類や帳票の電子化は複数企業間の協力が不可欠
学生の時は、書類や帳票のやり取りが紙を使わずにメールでできたら、経費も抑えられるし、何より速いし、こんないいことはない、どんどん電子化していくんだろうなあなんて思っていたのですが、実際に業務の現場を見てみると、業務には多くの企業が関係しており、企業ごとに帳票など書類のフォーマットも異なるものでした。確かにどこか一社が電子化を導入しますよ、といったところで、自社の慣れ親しんだ書類のフォーマット、書類処理のオペレーションまで変えて対応しようなんて企業はよほどのメリット、理由などがないと行う気にはならないでしょう。
しかし、景気回復が不透明な中、よりいっそうの効率化、コスト削減が求められているので、電子化による紙コスト削減のメリットなどから今後は多くの企業が取り組んでいくかもしれません。
さらに以前とは異なり、電子文書と電子化した紙文書を一元管理するオフィス向けドキュメント・ハンドリング・ソフトウェアなども普及して来ているようですし、業務とは直接関係がありませんが、個人の本を裁断・PDF化して保存するいわゆる「自炊」もブームになっているなか、人々の「書類の電子化」に対する抵抗がなくなってきており、今後も一層書類や業務の電子化が進んでいくのではないでしょうか。
(文責:堀木)
【参照】
「日経産業新聞」 4月13日 一面 「村田製作所 輸出業務すべて電子化」
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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第169号 2012年4月18日)