物流不動産マーケットの勃興
従来、物流施設は物流事業者自身が建設/保有する、あるいは地主に建築依頼して長期賃借する事が多かったのですが、4 ~5年前より外資不動産ファンドや事務所/マンション開発から移ってきたディベロッパーが開発/建築した大規模な賃貸物流施設が供給され始め、「物流不動産マーケット」と呼ばれ、認知されるようになってきました。
ロジスティクス改革を行い大きな成果を得る為には、在庫削減に繋がる集約による拠点再編が最も効果的です。さらに1フロアーが数千坪でしかもランプウェイにより車輌が直接接車出来る事(=言い換えれば大規模な平屋物流施設)は、施設内のハンドリング面からもその省力効果は言うまでもありません。企業の合従連衡、製販一体、SCM連携、等の流れの中での ロジスティクス改革と大規模賃貸物流施設がまさにマッチしたと言えます。
地域によってはテナントが入らない物件も
しかし近年、ファンドマネー競合による地価高騰及び鋼材コスト等による建設費の上昇により、物流不動産の賃料が物流事業者の手の届かないレンジに入った様に思われます。
現実的に地域によってはテナントが付かない状況も見られますし、供給側も以前と違って何が何でも開発するのではなく、確実な(=顧客の付く)物件のみの開発に方向転換しています。
物流施設の賃借料には、マンションと同様に長く利用する為には自ずと事業者が手の出せる価格水準、そこで取扱う顧客 企業の製品(商品)が負担出来る物流費からのコスト限界があります。高付加価値製品は別として一般製品の場合、地域差は当然ありますが賃借料的には3千円/坪程度だと思います。
その立地利便性面を考慮しても、高賃借料の施設は、高付加価値商品を扱うテナントが付けば良いが、はたして今後どうなるのでしょうか。そして、その業界への影響は…?
(文責:堤)
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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第19号 2009年2月12日)