物流センターの業務を設計・改善検討する際には、その物流センターで取り扱う物量が必要になります。それは、入荷仮置き面積がどの程度必要なのか、保管設備や荷役設備がいくつ必要なのか、作業人員が何人必要なのか、などの「数」を決めていかなければならないからです。
物は、物流センターを通過する間に荷姿を変える
「貴社のセンターの取り扱い物量は、どの程度でしょうか?」
「もちろん、把握している。1日〇〇ピースだ」
荷主側に聞くと、荷物の最小単位でのみ把握、もしくは金額での把握になっていることがあります。しかし、物流センターを考える上で、この最小単位の量だけでは、不十分です。
物は、物流センターを通過する間、荷姿を変えていきます。
例えば、ある量販店のセンターでは、トラックで入荷し、パレットに降ろされます。そのままパレットで保管するものと、ケースで保管するものがあります。ピッキングはケースでピッキングするものと、ピースで行うものがあります。ピースでピッキングするものは、ケースの箱を空けてピースになり棚保管されます。ピースでピッキングしたものは、段ボールに詰めて、出荷のケースになります。その後、ケースをカゴ台車に積みます。そして、カゴ台車をトラックに積んで、センターを出発します。
重量ラック数の検討には、パレット数やケース数などの保管荷姿数が必要ですし、細かなものを入れる中量棚の設置数の検討には、ピッキングの間口数となるアイテム数が必要です。出荷の仮置き場面積の検討としては、カゴ台車などの出荷荷姿での数が必要になってきます。
物量のフローとは
さて、文章で書いてもなかなかややこしいですね。そこで、この物流センターを通過する際の取扱い荷姿の量を把握するためには「物量のフロー」を作成されてはいかがでしょうか。
物流センターへ物が入荷して、出荷するまでのフローに処理する荷姿の量を入れていくのです。もしかすると、これらはデータ化されておらず、実測が必要な場合や把握することが難しい場合もあるかもしれません。その場合は逆に設定を検討するきっかけにもなります。
物量のフローは、一連の物と量の流れを一目で見えるようにすることができますし、何かの検討のたびに資料をめくるのではなく、1枚作成しておくと便利です。
物流センターの取り扱い物量の把握には、物量のフローを活用されてはいかがでしょうか。
(文責 真壁 由香)
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