物流センターの業務を設計・改善検討する際には、その物流センターで取り扱う物量が必要になります。それは、入荷仮置き面積がどの程度必要なのか、保管設備や荷役設備がいくつ必要なのか、作業人員が何人必要なのか、などの「数」を決めていかなければならないからです。
以前、このような書き出しで、物量のフローを取りまとめることをお勧めしました。物量のフローとは、物流センターへ物が入荷して、出荷するまでの作業ごとに処理する荷姿の量が入ったものです。
1ヶ月あたり、1日あたり、1時間あたりの全てを考える
では、この処理する荷姿の量は、ひと月当たりでしょうか。1日当たりでしょうか。
作業については、1日当たりと1時間当たりが必要です。
1日当たりは、平均だけではなく、「それなりに多い1日当たり」が必要だと私は考えます。様々な考え方があると思いますが、平均では、すぐに平均を超える日が出てきますし、一番多い日を基に設計していくと、過剰な設計になってしまうかもしれないからです。
時間当たりについては、検討に加えていただきたいのが、タイムフローです。
入荷仮置き面積がどの程度必要なのか、作業人数が何人必要なのか、それは1日の量だけで検討できるものではありません。その量を何時間で処理しなければならないのかが必要になってきます。時間当たりに処理しなければならない量は、処理量を処理可能時間で割った数です。
フローの把握の解像度を上げる
例えば、ある量販店のセンターの出荷では、オーダーが朝8時に入り、15時に作業完了させなければならないとすると、処理時間は7時間です。
しかし、オーダーが8時に入っても、ピッキングリストを発行するなど、作業によっては、前工程に時間がかかりすぐには取り掛かれないものも出てくるかもしれません。途中の昼休憩をどのようにとるのかによっても処理可能時間は変更します。どの程度その場に物が滞留するのかによっても、仮置き場などの必要面積は変化します。
したがって、工程ごとのタイムフローを考慮に入れつつその場で処理しなければならない量を把握検討していき、その後の必要な面積や人員などに繋げていける数を作成します。
補足ですが、「それなりに多い1日当たり」の量を超える日もありますので、時間を延長する、増員するなど課題として挙げておいた方が良いでしょう。特に機械能力は物量が多いからといって当日すぐに設計した能力よりも上げることができないことが多いので要注意です。
さて、物流センターの物量ですが、わかっているようでいて、いざ業務を設計・改善検討を行おうとすると、必要な物量の把握・検討には意外に苦労するものです。まずは、現状の物流センターについて、把握してみませんか。
(文責 真壁 由香)
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