「物流の教科書」-3:配送の検討には「物量密集度」を活用する

2020年3月末に上梓させていただきました『基本がわかる実践できる 物流(ロジスティクス)の基本教科書』から、今回は、配送について取り上げます。

物流密集度とは

物流費の中で輸配送費が大きなウエイトを占めることから、輸送、配送の見直しが改善のテーマになることが多いと思います。最近はソフトウェアで細かくいろいろなシミュレーションができるようになっていますが、ここでは積合せ配送のラフな試算に活用できる「物量密集度」についてご紹介します。

物量密集度とは、納品先に着いたときから、次納品先に到着するまでの時間のことで、単位は分/軒です。

物量密集度は、納品先での納品貨物の荷卸時間(荷役時間)と次の納品先までの移動時間で構成されています。

物量密集度 = 荷役時間 +走行時間
= 荷役時間 +走行距離/走行スピード

荷役時間は、配送ロットにより時間が変化しますし、納品先の特性などにも影響を受けます。また、走行時間は走行距離と走行スピードに影響を受けますが、走行距離はエリアの広さ、配送軒数など、走行スピードはエリア特性、走行時間帯、走行時期などに影響を受けます。したがってこのような条件をラフでも加味して検討を進めます。

物流密集度の活用

物量密集度がわかると、配送可能な時間帯に何軒配送できるかがわかります。

例えば、物量密集度が30分/軒で配送可能時間が3時間の場合、6軒配送できる計算となります。1軒当りの配送物量が200Kgでしたら、6軒で1,200Kgとなり、2トン車で配送できることがわかります。一方、1軒当りの配送物量が1,000Kgでしたら、6軒で6,000Kgとなり、時間的には可能でも積載面で4トン車は使えないことがわかります。ただし、この場合、4トン車で配送すると4軒の配送ができて、配送は2時間で終了することになります。したがって、余った時間でこの車両はさらに別の配送ができることになります。

このようにラフな試算で配送の特性を把握することは、配送の企画や改善検討のスタート段階では有効です。

ラフな検討で方向性が決まったら、詳細な条件を加味したシミュレーションを行って、計画を作り上げるとよいでしょう。現在はいろいろな配送シミュレーションソフトがありますので、これらを活用することが効果的です。また、シミュレーションソフトには、拠点立地などの検討できるものがありますから、輸配送だけでなく物流ネットワークの検討を行うことも可能です。

条件を詳細に加味することができれば、より現実に近い結果を導き出せることになりますが、そのためには、シミュレーションソフトを活用していてその取扱いに慣れているところに相談し、一緒に検討を進めることが効果的です。

一度物量密集度を計算されてはいかがでしょうか?

(文責 中谷 祐治)

【参考資料】
中谷祐治『基本がわかる実践できる 物流(ロジスティクス)の基本教科書』

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(ロジ・ソリューション(株)メールマガジン/ばんばん通信第464号2021年10月13日)

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