「人材」が私たちのビジネスの中心-2:採用計画とリテンション 

前回は、「人材」の基本的な考え方についてお話ししました。今回は、人材の採用と定着化(リテンション)におけるポイントを考えたいと思います。

「人材不足」とは?

まず、「人材が不足している」という言葉は具体的に何を指しているのでしょうか?

「〇名の人材が、〇〇部署で不足している。それを〇月〇日までに採用したい」という言葉の意訳が人材不足です。基本的なことではありますが、〇の部分を具体的にすることが非常に重要なのです。

そのためにはまず、年間で採用計画を作成する必要があります。人材の採用は、書類選考、数回の面接、退職手続きを考えると、おそくとも3カ月前に開始しなければなりません。もちろん、予想できなかった退職もありますが、計画的に採用をしておけば、退職によるダメージは最小限に抑えられるはずです。

また、会社として、採用したい人物像の基準を明確にしておくことも重要です。特に、全国の拠点が別々に採用する場合は、「面接では何を聞くか」や「どういう考えを持った人物を選ぶか」等、選考基準を明確化し、全社に水平展開できるかがとても大切です。以上が、採用における主なポイントです。

人材の定着化のポイント

次は、人材の定着化(リテンション)における重要なポイントです。

まず、リテンションとは、人材を流出させないための取り組みを指します。人事におけるリテンションには、「金銭的報酬としてのリテンション」と「非金銭的報酬としてのリテンション」があります。金銭的報酬としてのリテンションは、「お金」という労働の対価を支払うことによって、働く意欲をアップしてもらうアクションのことを指し、具体的には、業績にあわせたボーナス支給や金銭的インセンティブの付与などがあります。

非金銭的報酬としてのリテンションとは、従業員がやりがいを感じられるよう働く価値を生み出し、組織への定着を促すアクションのことを指し、具体的には、労働条件の改善、多様な働き方の導入や人事評価制度の見直しなどがあります。

人材の定着率向上には、これらどちらか一方をやったからといって改善できるわけではありません。会社の状況にあわせ、両方の施策をうまく組み合わせて実施することが重要です。また、人材の定着化は、全従業員に対し公平に行わなければなりません

そこで、採用と同様に、具体的な年間カレンダーを作成し管理することで、抜け漏れなく実施できます。最後に、私が考える最も重要なアクションは、退職者インタビューです。実施には、勇気が必要なアクションかもしれません。しかし、退職者と体系的に話をすることで、会社の中で人材定着のために改善しなければならない事項が聞き出せる可能性が高いです。そのために、ぜひ、退職者インタビューを実施してみてはいかがでしょうか。

(文責:長久 佳典)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第500号 2023年3月22日)
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