新入社員と物流部門と
現在感染症問題で大変な状況にありますが、4月は新入社員の季節です。通年採用になっている企業もあると思いますが、まだまだ桜のこの時期に入社される方が多いのではないでしょうか。3年前にも同じ話題(こちら)を取り上げていますが、今回は社内の異動で物流部門に来られたという方々についてお話ししたいと思います。
物流部門に異動と聞いて、「倉庫番になるのか」と考える方はさすがにいらっしゃらないと思いますが、物流にあまり関係のない部署の方ですと、少なからず不安をお持ちかもしれません。
世間一般にもドライバー不足は伝えられており、物流がこれから大変になっていくことが想定されるため、どうなるのだろうというものもあるでしょうし、新人でもないから、異動したら成果を出していかなければならないと思うものの、物流に詳しくないのでどうしてよいかがイメージできないという場合もあるかもしれません。
まずは与えられた領域の明確化から
物流といっても幅が大変広く、各企業によってその対象範囲が異なります。まずは、与えられた領域を明確にして、それに関する知識をアップし、実践していくことが必要です。この場合、それらをすべて自分だけでカバーしようと考えないようにすることがポイントです。
例えば、実践的な知識レベルについては、実際の業務をよく知っていて聞ける人を探したり、わからないことを辞書のように調べられるような自分に合った教科書のようなものを見つけたりすることでカバーできます。また、改革や改善のテーマアップですと、以前ご紹介した「物流診断」を外部に支援してもらうことも可能です。このようなことができれば、今までの経験をもとにいろいろな活動を推進できるのではないかと思います。
もう一つ重要なことは、物流業界は変化しているということです。
物流業界は長年大きな変化がありませんでしたが、今は違います。物流センターでは、IT機器やウェアラブル機器が導入され、無人搬送車やロボット、自動化機器なども導入されています。トラック輸送では、隊列走行や無人の配送などの実現に向けて、検討が進められています。また、物流においても、スマートフォンとアプリケーションを使ったシステムやサービスが開発されています。
このような変化の時代においては、独自のアンテナをもってトレンドを追いかけ、タイミングを見て実践につなげていくことが必要です。物流担当になり、新たな観点からみていくことができるので、今までの固定観念に縛られないアイデアを出していくことができるのではないでしょうか。
現在、物流業界を見ると確かにいろいろ大変な時代ですが、物流激動の時代、変化が激しい時代、技術革新が進んでいる時代だからこそ、身近でいろいろなことができるのです。
物流部門に異動されてきた方に今お伝えしたいことは、とてもタイミングがよいということです。
(文責:中谷 祐治)
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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第428号 2020年4月22日)