宅配の再配達に要する時間は9万人分の労働時間に相当するそうです。

今年の正月休みは、家族で私の実家に帰省しました。
実家から自宅に帰宅すると、ポストに某社の『ご不在連絡票』が2枚投函されていました。伝票の日付は元日とその翌日、ドライバーさんには2日間不在の我が家にご足労頂いていたようで、同業者として心苦しい気持ちでした。
荷物は妻がインターネットで注文した福袋でした。曰く、注文したウェブサイトには日付を登録するところがなかったので、いつ配達されるのか分からず、三箇日以降に届くのではないかと思っていた、とのこと。他方、伝票には『到着希望日1月1日』と印字されていました。

宅配の再配達は、1回1回は小さな作業でも、積み重なれば膨大な規模の作業になります。
平成27年10月、国土交通省は『宅配の再配達の削減に向けた受取方法の多様化の促進等に関する検討会 報告書』を公表しました。同資料では、再配達が発生する個数の割合は全配達個数の約20%であり、再配達により発生するCO2排出量は418,271t(山手線の内側2.5個分と同じ広さのスギ林の年間CO2吸収量に相当)、再配達により発生する労働時間は約1.8億時間(9万人の年間労働時間に相当、トラックドライバーの約1割)と、その影響の大きさを試算しています。

また、同資料では再配達となった消費者へのアンケート結果を公表しており、その中で『1回目の配達で受取れなかった理由』として、約42%の方が『配達に来るのを知らなかった』と回答しており、もっとも多い理由でした。アンケート結果に鑑み、再配達を大きく低減させる為の切り口は、受取側が配達に来ることを予め知っていることであり、その手段として配達時間指定と配達時間事前通知があると思います。

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私がBtoBの配車をしていた際、効率的な車組を目指すうえで、配達時間指定は車組の自由を制限し、また配達時間指定と配達時間事前通知は外部環境に左右されやすい配達というサービスをより難しくするもの、言い換えると効率化の阻害要因であると考えていました。それは、配達時不在という状況が基本的にはなく、効率の指標が稼働率、回転率、積載率等、配車側にあるという思考が根本にあると思います。他方、約20%が再配達となる宅配の現状を踏まえると、再配達の発生頻度は効率の指標であり、配達時間指定や配達時間事前通知はむしろ効率化のネタになるのかもしれません。

(文責:松室 伊織)

【参考文献】
『「宅配の再配達の削減に向けた受取方法の多様化の促進等に関する検討会」報告書の公表について』(国土交通省 物流審議官部門物流政策課企画室 報道発表資料 平成27年10月14日)
http://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu01_hh_000234.html

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第322号 2016年4月13日)

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