「物流の教科書」-6 コンサルティング会社の選び方のツボ

2020年3月末に上梓させていただきました「基本がわかる実践できる 物流(ロジスティクス)の基本教科書」から、今回は、コンサルティング会社の選定について取り上げます。

目的、対象範囲、支援を受けたい内容、期間、ゴール、予算

最近、コンサルティングに関するお問い合わせをいただくことが多くなってきています。その中には、コンサルティング会社を初めて使いたいと考えているお客様も増えてきているように感じます。ぜひ以下の内容を選定の参考にしていただければと思います。

コンサルティング会社を起用する場合、目的、対象範囲、支援を受けたい内容、期間、ゴール、予算などについて大まかでも決めておいて相談されるのが良いでしょう。

相談できる会社が思い当たらない場合は検索サイトで調べることになると思いますが、物流コンサルティングで検索すると多くの会社が出るため、なかなか決めづらいのではないでしょうか。

そのような場合、まず物流戦略立案などの経営に近いテーマなのか、拠点立地や物流センター設計などの企画的なテーマなのか、現場の改善推進などのテーマなのか、大きく分けてみて、相談先を考えると選定しやすくなります

経営に近いテーマでしたら、物流コンサルティング会社に加えて経営コンサルティング会社も対象となります。一方、現場改善などでは、物流コンサルティング会社の中でも現場のノウハウを持っている会社に相談すべきですし、物流業務を委託する可能性がある場合は、コンサルティングができる物流事業者に相談してもよいでしょう。

このようにテーマに合わせて相談先を選定し、数社に話を聞いてみることをお勧めします。

コンサルティングとエンジニアリング

また、コンサルティングの依頼内容として、戦略を策定し、企画を立案し、実行に移す一連の流れを想定している場合、注意すべきことがあります。

戦略を策定する場面では、大きな観点からどちらに進むべきかを考える、いわゆる「コンサルティング」が求められます。一方実行に移す場面では、細かいデータや発生するイレギュラー業務など多くの情報をもとにして設計する「エンジニアリング」の要素が必要となってきます。

例えば、戦略立案のときに使う数字と具体的な設計をするための数字の細かさが異なります。これらを理解して進めていなければ、数字の整合性が取れない、設計時にさらに深い検討が必要になるなどが起こる可能性があるためです。したがって、この両面の実力を備えたコンサルティング会社を選定する必要があります。

上記に限らず物流コンサルティングでは幅広いテーマを対象としていろいろな検討がなされると思いますが、物流コンサルティング会社を選定する際には、提案内容や実力、ルーツなどから実行できるコンサルティング会社かどうかを見極めることが重要です。同時に自社のメンバーと社風が合うかも重要な要素ですので、確認していただくとよいと思います。

(文責: 中谷 祐治)

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参考
中谷祐治(2020) 「基本がわかる実践できる 物流(ロジスティクス)の基本教科書」日本能率協会マネジメントセンター