オムニチャネルとは
今回のテーマは、EC物流にかかわるオムニチャネルです。
オムニチャネルという言葉を最近よく耳にするのですが、いまいちピンとこない私です。EC通販サイトでの買い物も年に2から3回程度と少なく、リアル店舗での買い物がメインのアナログな生活をしています。
そこで、オムニチャネルとはなにかを整理しながら、こんなことができるの? など、商品を購入する場面に置き換えて考えていきたいと思います。
まず、オムニチャネルとは? についてです。教科書的な表現を引用すると「企業が顧客と接する店舗やEC通販サイト、電子メールといった複数の接点(チャネル)を総合的に扱うことで、どのチャネルでも顧客に同じ購入体験を提供しようという取り組み」のことです。
私は、最近メガネを新調しました。そこで、メガネを買うことを例にとり、オムニチャネルとはどういうことかを考えてみましょう。
メガネは、EC通販サイトではハードルが高い商材かもしれません。やはり、メガネを買う場合は、視力の測定ができる店舗に行くのが一般的だと思います。私もそうします。
あるメガネ小売チェーンでは、スマホで自分の顔を撮影し、その顔にメガネをかけて、左右上下などいろいろな角度から似合っているかどうかを確認し、注文できるそうです。バーチャルのメガネ試着といったところでしょうか。
視力が安定しているようであれば、メガネの度数登録さえあれば、店舗まで足を運ばなくても、購入が可能なわけです。また、宅配試着サービスなんてことも考えている企業もあるようです。やっぱり実際にメガネをかけて確認したい人には必要なサービスです。さらに、店舗では、スペースの都合もあり、新作や売れ筋しか並べられませんが、EC通販サイトだと倉庫に在庫があれば、注文が可能です。いわゆるロングテールでの対応です。
店舗に注文すると店舗での受け取りですが、EC通販サイトで注文すると家まで宅配してくれることもメリットです。
EC通販サイトでメガネを買う際、心配するのが、「自分の度数が分からない」「フィットするか」「自分が掛けて似合うか」です。すべてとはいえませんが、ある程度はECサイト上で解決できるレベルまで来ていると考えられます。
リアル店舗と同じ購入をECサイトでも実現というのがオムニチャネル化の一つということになります。フィット感や微調整が必要な場合は、店頭での受け取りも想定できます。ECで注文し、出来上がったものを店頭で、店員さんの微調整後に受け取ることもできます。
注文方法も多様化すれば、受け取りも多様化する、ネットでもリアル店舗でも顧客の満足が得られる対応ができるというのがオムニチャネルということです。
当然、物流にも対応が必要になってきます。在庫は店頭や倉庫に点在しています。その在庫の一括管理やロングテールに対応したラインナップも必要になります。また配送についても、在庫の一元管理が進めば、共通在庫から店頭向けや個人向けの出荷、個人向けの店頭渡し、返品についても、店頭とECサイトの区別のない対応が必要になります。オムニチャネルに対応するためには高度な物流が必要になります。
今回の内容は、私個人の整理のためのものでもありました。今後さらにオムニチャネル化に向けて、BtoB、BtoC、OtoOなど様々なチャネルを統合する物流サービスの提供が重要になってきます。物流業界の人間としては頭の痛い話ですが、知恵を絞り、明日のEC物流を構築していきましょう。
(文責:手戸 清人)
【参考文献】
『オムニチャネル&O2Oの教科書』(日経デジタルマーケティング 日経BP 2016.9.17)
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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第348号 2016年12月21日)