食品物流について考える~チルド物流とは~

近年、「食の安心・安全」へのニーズや意識が高くなっています。そんな社会情勢を受け、従来は常温で管理していた商品を冷蔵環境で管理しようとするメーカーも増えてきています。

今回は、需要の高まっている冷蔵商品を取り扱うチルド物流について取り上げます。

チルド物流とは、食品や医薬品などの冷蔵商品を取り扱う物流の一種です。物流業界では、「物流」と一口に言っても、その業種・業態は多岐にわたるため、それぞれの業種・業態ごとに違うスキルやサービスが必要とされています。

チルド物流の特徴としては、以下の2点が挙げられます。

  1. 厳密な温度管理
  2. 厳密な日付、時間管理

厳密な温度管理

チルド物流の特徴としてまず挙げられるのは、厳密な温度管理です。生鮮食品やチルド食品は鮮度の維持や品質劣化を防ぐため、最適な温度下で輸配送・保管をしなければなりません。

食品の温度管理は常温・冷蔵・冷凍の3温度帯によって管理されており、商品の特性に合わせて倉庫業法に基づきF4級~C3級の7つに区分されています。

※区分ごとの代表的な商品例は下図を参照

出典:日本冷蔵倉庫協会

車両や倉庫を含め、生産者から消費者に届くまでの全過程を同じ温度帯で管理し輸送する仕組みを「コールドチェーン」と呼びます。

厳密な日付、時間管理

日付管理は、より新鮮な食品を消費者にお届けするためのもので、賞味期限・消費期限がわかりやすい例です。陳列された食品に期限切れのものが混在していると、お客様の足が遠のくきっかけになってしまうこともあるため、日付管理はとても重要です。また、メーカーの生産計画や卸売・小売業の発注計画においても、在庫切れや生産過剰のリスクを回避する上で大きな影響があります。

時間管理は、効率的なルート構築や顧客への正確な納期を順守するためのもので、コスト削減と売り上げ拡大のために必要です。鮮度が重要な食品物流は、時間との勝負と言っても過言ではありません。工場で製造された食品をその日のうちに店頭に並べることも当然に行われており、いかに製造から販売までの時間を短くするかが求められます。

次稿では、もう少し深い部分に触れていきたいと考えています。

(文責:中澤 梓)

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出典:一般社団法人 日本冷蔵倉庫協会

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