「物流2024年問題を考える」(その4:まとめ)

これまで3回にわたって「2024年問題」に関連する運送業界の実態と諸課題について触れてきました。今回はまとめとして、この問題に今後どのように対処していくべきか、基本的な考え方をお伝えしたいと思います。

対処方法のプロセスを大別すると、現状把握、時間外労働発生要因の分析、リスクの定量評価、目標設定および現状とのギャップ明確化、課題設定、関係部門との調整および実行となります。以下、それぞれのポイントについて述べたいと思います。

現状把握

ドライバーの時間外労働時間の実態を把握することになりますが、荷主、物流事業者それぞれの立場で把握内容は異なります。荷主は自社の物流実態を把握し、物流事業者は自社の運送事業に関する実態を全て網羅する必要があります。

時間外労働発生要因の分析

ここが極めて重要なプロセスです。

時間外労働が発生する要因は様々考えられます。積込みや荷下ろしに関する作業環境や時間制限、配車起因を含めた運行効率、取扱物量に対する車両不足など、荷主側、物流事業者側、それ以外のどこに起因するのかを分析することが求められます。

リスクの定量評価

仮に、ドライバーが法改正による労働時間を遵守した場合、どの程度の影響が発生するかを、荷主側、物流事業者側で定量的に評価します。

例えば、荷主にとって手配できない車両台数が想定されれば、売上への影響が発生し、場合によっては事業縮小のリスクになりかねません。その影響度を定量的に把握しておくことで、経営に対するインパクトを具体化・明確化にすることができます。

目標設定および現状とのギャップ明確化

リスク定量評価を踏まえ、時間外労働を抑制する労働時間の目標を設定することになりますが、ここでは現状と目標とのギャップを明確にし、今後の対策の方向性を検討します。

課題設定

方向性が決まったら具体的に取り組み課題を設定します。

さらに関係部門との調整事項を明確にすることが重要です。例えば、物流事業者の多くは複数の協力事業者と輸送ネットワークを構築していますので、それらの協力事業者に対する課題も抽出できるでしょう。新たな協力事業者の開拓も視野に入れる必要があるかもしれません。

関係部門との調整および実行

課題設定を踏まえて対応する関係部門との調整を行い、状況に応じて課題の再設定を行います。それらを含め、実行に移すための調整にはある程度の時間を要することが想定されます。したがって、このプロセスにはできるだけ早期に着手することが求められます。

まとめ

以上、2024年問題に対処する各プロセスと主なポイントに触れました。

私の認識では、まだまだ対応できていない荷主や物流事業者が多く存在しているのが現状です。特に荷主企業の適切な理解が進んでおらず、物流事業者側からの強い情報発信が必要だと感じています。いま着手すれば、十分間に合う取り組みですので、多くの企業や関係部門が積極的に対応し、来年以降の物流混乱が発生しないことを望むばかりです。

(文責:貞 勝利)

ロジ・ソリューションでは、物流に関するいろいろなご支援をさせていただいております。今回のテーマである2024年問題対策に関するコンサルティングも行っております。何かお困りのことがありましたらぜひお声掛けください。

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第508号 2023年7月12日)

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