成長する通信販売市場 2:返品作業対策が重要

ECで重要なのは返品作業の効率化

不況色が強い世の中で、通信販売市場が着実に拡大しています。

日本通信販売協会の推計では08年度の国内の通販市場は4兆1400億円と前年度比6.7%伸びています。働く女性・高齢者の増加や自宅で買い物を済まそうとする傾向など消費構造の変化をとらえており、今後も成長が続きそうです。また、2011年にアナログ放送が終了し、地上デジタル放送へ完全移行します。これによって、参入障壁が低くなり、メーカーや商社,個人等が参入し、市場は更に活性化すると考えられます。

通販の物流業務において、非常に重要なポイントは「返品作業」の効率化です。日本の通販返品率は5%前後で世界一低いですが、

・全色買って、気に入った数個以外はすべて返す
・結婚式シーズンにパーティドレスを購入し、翌週に返す

等、今後購買も欧米化し、欧米の返品率30%前後に近づいていく事が十分考えられます

返品作業を分解してみると

返品作業の特徴は下記の通りです。

1.作業内容が煩雑でコスト(人・時間・スペース)が掛かる
2.センター着荷から保管まで幾つもの作業工程が存在する
3.各作業ごとに効率化を妨げる事象が多くある

たとえば

・伝票と商品の内容が違う
・商品タグが取れていて、品番がわからない
・バラとセットの判断が難しい
・不良品の見分けが不明瞭である(傷,しわ,におい等)
・段ボールや紙袋に商品が無造作に詰められていて、商品が傷んでいる場合がある

結果として、仕事が細分化され、担当者がいわゆる「生き字引」の専門的な仕事になり、仕事の流れにムダが生じます。今までこのようなセンターを数々見てきました。

先ずは、物流改善会議で返品業務内容を洗い出し課題を共有化し、

・返品の作業基準書作成
・業務のIT化(返品データを活用した迅速なデータ処理)

から進めてみてはいかがでしょうか。通販業務では、返品以外にも注文のキャンセルや変更など多くのイレギュラーが発生します。従って、いかに“単純化”するかがポイントです。複雑にすると、どこかで問題が起こった時収集がつかなくなる恐れがあります。

(文責:重栖)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第58号 2009年11月25日)

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