ヘッドマウントディスプレーとARナビゲーションを使った物流ソリューションを体験してきました

ウェアラブル端末が物流業界にも

近年急速に普及しているスマートフォン・Apple社のiPhone発売を皮切りに急速に世界中で利用者が増え、その出荷台数は日本国内だけで昨年は3,000万台までのぼる程の過熱ぶりです。そして、このスマートフォンの次を担う携帯端末として注目されているのが「ウェアラブル端末」です。

「ウェアラブル端末」とは、その名の通り「身に付けて歩き回ることの出来るコンピュータ端末」のことで、最近ではGoogle社が発表したメガネ型端末やサムスン電子社の腕時計型端末などがそれにあたり、つい先日も日本のNTTドコモ社がメガネ型端末を発表するという報道がありました。その他にも多くの企業が現在開発競争を繰り広げています。

そしてその流れは我々の物流業界へも波及し始めているようです。先月、製造・流通・物流業界向けに開催されたある展示会に行ってきたのですが、そこでも「ウェアラブル」をテーマとした展示が多数見受けられました。特に多かったのが音声認識システムで、最近徐々に普及し始めているということもあり、多くの見学者で賑わっていました。

その中で、私が注目したのは、「ヘッドマウントディスプレーとARナビゲーションを活用した物流ソリューション」のデモンストレーションコーナー。このシステムは、セイコーエプソン社、トーヨーカネツソリューションズ社、国際航業社、キングジム社の4社共同で開発を進めているもので、まだ実用化はされていないのですが、実用化へ向けた実証実験ということで展示されていました。

概要を簡単に説明すると、種蒔き方式のピッキング作業を想定して、まず作業者はヘッドマウントディスプレー(HMD)と呼ばれるメガネ型端末を装着して、種蒔きする商品のQRコードに視線を向けます。すると、HMDがそのQRコードを認識し、メガネのレンズ上に商品名や商品コードといった商品情報と、種蒔きする間口番号(目的地)及びそこまでの移動距離、更には進行方向が3Dの矢印で表示され、目的地までナビゲーションしてくれるというもので、従来のハンディーターミナルと比べて、バーコードをスキャンする手間が省ける上に両手が自由に使えるということで作業の効率化が期待できます。私も実際に装着して擬似作業を体験したのですが、思ったよりもナビゲーションのレスポンスや精度が高く、作業していてストレスを感じることはあまりありませんでした。

担当者の方の話では、まだ認識できるバーコードのサイズに制限があることや端末の軽量化など改良すべき点がいくつかあり、実用化にはもう少し時間が必要ということでしたが、大きな可能性を感じさせるシステムでした。

一部の調査によるとウェアラブル端末の本格普及は2016年頃からと言われています。物流現場においても、そう遠くない未来にこのウェアラブル端末が主力となる日がやってくるかも知れません。今後もその動向を注目していきたいところです。

(文責:福田)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第226号 2013年10月11日)

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