環境対策と鉄道インフラ整備について:モーダルシフトは簡単ではない

迫られる物流業界の環境対策

「物流」に携われる荷主や物流事業者の皆さん、環境対策は進んでいますか?

毎年1%相当のCO2排出量削減を義務化され、その対策に苦慮されているのではないでしょうか?

省エネに関する法改正の歴史

そもそも1970年代に起きたオイルショックを受け、エネルギーを効率的に利用する為に1979年に施行され、その後改正が進みました。特に、世間が特に注力するようになったのは、1997年気候変動枠組条約に関する議定書(いわゆる京都議定書)が採択されたこと、環境に即したエネルギー(燃料、熱、電気)の有効利用と合理化を進める目的で、2000年に省エネ法が制定されたこと、さらに2008年には、地球温暖化対策の推進がこれまで以上に強く求められるようになったという背景のもと、エネルギー消費量が大幅に増加している業務部門と家庭部門におけるエネルギー使用の合理化をより一層推進することを目的とした改正がなされたこと(いわゆる改正省エネ法の制定)がきっかけではないでしょうか。

これらの法改正により物流面においても物流事業者だけでなく、荷主にもCO2削減を義務化し、削減策の計画・結果の提示を求められるようになりました。

外部環境の変化と物流面への影響

こうした中、昨年3月に発生した東日本大震災による「原発事故に端を発した電力不足、原発依存の是非問題」や本年ゴールデンウィーク期間中に関越自動車道で発生した長距離バスによる事故を受け、過労運転防止策の強化等、社会の関心事が従来の環境保全(=CO2削減)より、生活・生命を守る(=電気)に移ってきたように感じます。特に、長距離バスでの過労運転を抑制する為に、運転400km以上運行する場合は交代要員をつけることを法令化する動きが出るなど、近い将来、旅客バスから貨物トラックにも波及する可能性が高いのではないでしょうか。

鉄道へのモーダルシフトの難しさ

いずれにしても、トラックから鉄道や船舶を使った輸送へのシフト(モーダルシフト)が環境対策や過労運転防止策に有効な手段であり、ニーズがますます高まってくるのは必須だと思われます。

しかしながら、トラック輸送からJR輸送へ切換えたくても、

(1)料金がトラック運賃と比べて高い。
(2)輸送枠が限られていて、量の制約を受ける。
(3)リードタイムが長い
(4)取扱駅が少ない。(特に大型コンテナ取扱駅が少なく、又取扱駅になっていても実際にはスペースの問題等で輸送できない)

等々の理由により、思うように切り替えられないと言った声をよく耳にします。実際、物流コンサルティングを実施している弊社でも、具体的な検討段階でこうした問題で実施できなかった例が多々あります。

JR貨物も民営化され、企業として利潤を追求しており、インフラ整備は莫大な投資が必要で、JR貨物1企業に上記の問題を解消してくれと言っても、限界があります。公共性の高い鉄道輸送に関しては、インフラ整備や弾力的なレール料金見直しにもっと国全体で考え、全面的にバックアップして頂き、使い勝手の良い輸送手段にすべきだと考えます。

一部、31ftコンテナの新規導入に関しては、補充金を出す制度がある事を申し添えておきます。その為には、我々物流事業に携われ者はもちろんの事、「荷主」の皆様も、各業界、団体を通じて積極的に働きかけていくべきだと思います。

(文責:奈須)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第184号 2012年8月8日)

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