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日本版スマートグリッドの解決すべき課題とは?
第1に、太陽光や風力をはじめとする再生可能エネルギーは、天候による影響を多大に受け不安定であり、また、需要が落ち込む時期であれば大量に余剰が出る可能性もある為、何らかのバッファーを設けて電力の需給を平準化する必要があります。
その解決策が、燃料電池をはじめとする蓄電池の開発で、一説によると、次世代自動車のEV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド自動車)が、移動する蓄電池となるともいわれております。
2つ目は、直流と交流の異なる電気による変換ロスです。太陽電池の創る電気は直流ですが、従来の配電は交流の為、現在は太陽電池の直流をパワーコンディショナーにより一旦交流に変換し家庭用電源に配電しております。さらに、デジタル家電やLED照明などは、内部で交流を直流に変換しており、様々な場面で変換ロスが生じているようです。
冷蔵庫や洗濯機などの高電圧が必要な機器は別として、消費電力の小さい機器では変換ロスをなくす取り組みも必要といわれております。
また、デマンドコントロールが基本で、家庭などの電力消費をコントロールする仕組みもあり、若干強制的に電力需要が抑制されるのが、消費者理解を得られるかどうかの懸念もあります。
とはいえ、メリットが多いとされるスマートグリッドは、官庁や大学、民間では、スマートハウスという形で、実証社会実験が開始されつつあり、課題を解決すべく実用化に向けて取り組みがされており、今後の動きに注目したいところです。
最後に、今回は物流とは直接関係のない話題でしたが、CO2排出量削減から太陽光発電の導入促進、さらに次世代電力網の実現を目指すエコビジネスの展開とスマートグリッドについて、みなさんはどう思われますか?
一人の個人消費者としては、近い将来に外出先から携帯電話で帰宅の15分前にエアコンとお風呂の電源を入れる事が出来るような世の中が来る事を期待しております。
(文責:北村)
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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第70号 2010年3月3日)