Ⅱ.エネルギー使用原単位の低減策
経産省への実績値の報告は何とかなりそうですが、次年度の計画書の作成も頭を悩まされます。前段でまとめたエネルギー使用原単位の低減が目標なので、当該数値を変化させ得る変数を考えて、次年度の計画を立てる必要があります。
エネルギー使用量の算定式
※変数をX、固定値をAとする
1.燃料法:燃料使用量(X) × 単位発熱量(A)
2.燃費法:輸送距離(X) ÷ 燃費(X) ×単位発熱量(A)
3.改良トンキロ法:輸送トンキロ(X) ×改良トンキロ法燃料使用原単位(X) × 単位発熱量(A)
※改良トンキロ法燃料使用原単位は、積載率、燃料種類、最大積載量により決定
4.従来トンキロ法:輸送トンキロ(X) ×従来トンキロ法エネルギー使用原単位(A)
では、どの数値をどの程度変化させれば、どのくらいの効果が期待できるのでしょうか。ここが一番知りたいところですが、目安となる値を幾つか挙げてみたいと思います。
エネルギー使用量削減のポイントと目安
- 積載率の向上:トラック輸送の場合、積載率が30%から60%に向上すると約40%
- 削減、積載率が100%に向上すると約60%削減される
- 車腹の大型化:トラック輸送の場合、4t車から10t車に大型化すると約45%削減、13t車に大型化すると約50%削減される
- モーダルシフト:トラック輸送から船輸送に切り替えると約70%削減、鉄道輸送に切り替えると約80%削減される
上記以外にも、輸送距離の短縮によって輸送トンキロを小さくすればエネルギー使用量は削減されます。サプライチェーン全体を考えて施策を検討する必要がありそうですね。
次では、実際に資料を作成する為に必要なステップについて考えてみます。
(文責:小出 貴美)
【参考文献】
・国土交通省における地球温暖化対策について【概要】
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/environment/sosei_environment_tk_000006.html(国土交通省)
・日本の温室効果ガス排出量の算定結果
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/ghg/(環境省)
・省エネ法(荷主に係る措置)についてhttps://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/ninushi/document.html(経済産業省 資源エネルギー庁)
・物流分野のCO2排出量に関する算定方法ガイドライン
https://www.greenpartnership.jp/co2brochure.pdf(経済産業省・国土交通省)
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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第340号 2016年10月26日)