排出ガス最新版「ポスト新長期規制」について:中小事業者には厳しい時代に

はじめに

皆さんは夜空を見られる事はありますか。首都圏におられる方の中には「最近になって星空がきれいに見えるな」と気づかれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、その一助ともなるトラック輸送と関連の深い、自動車の排出ガス規制の最新版である「ポスト新長期規制」について焦点を当ててみたいと思います。

国土交通省は、新車のトラックやバス、乗用車から排出される窒素酸化物(NO)及び粒子状物質(PM)の更なる低減を 図るため、世界最高水準の厳しい規制である「ポスト新長期規制」を制定し、新車のディーゼル車等に対して、平成21年10 月より順次適用する事にしています。

この法改正により、排出ガス基準値の強化が図られ、ディーゼル車は重量車(車両総重量3.5t超)ベースで、NOxの排 出量が新長期規制の65%、PMの排出量が同63%と大幅に低減されます。これにより、基本的にはガソリン車と同レベルの 水準となり、従来にも増してクリーンなトラックが登場する事になります。

そもそも自動車の排出ガス規制は、国土交通省による自動車NOx・PM法や、首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)、及び関西圏(大阪、兵庫)の自治体条例の中で、使用を制限する対象車両を抽出するキー的役割を果たしており、自動車NO x・PM法(平成14年10月規制開始)では、首都圏をはじめ中京、関西地区での旧形式の排出ガス基準値末達の自動車、即ち旧排出ガス規制適合車の使用が制限されています。

また、首都圏の各条例(平成15年10月規制開始)でも、他府県から当該エリアへの旧排出ガス規制適合車(ディーゼル 車)の乗り入れが制限されており、総じて大気汚染の改善に貢献しています。

トラック車両価格の値上げは不可避だが

今回の「ポスト新長期規制」により、トラックメーカー各社は最新規制に適合した車両を順次リリースする事になりますが、これらの車両は現行の新長期規制適合車より、更に価格が上昇するものと推測されます。確かに、こうした国や自治体の法規制強化は、地球環境保全や人体への健康被害撲滅の面からも必要です。ところが、物流事業者にとっては実質的な車両価格の値上がりとなり、その厳しいコスト負担を強いられる構図に不満や疑問を抱えるユーザーは、少なくないのではないでしょうか。

国内の物流を支えているのは、トラック輸送である事は今さら言うまでもありません。当面は2t 車クラスを除き、4~10t車クラスはクリーンなディーゼル車が主役の座を存続し続けるとみられます。そのような中、国内の物流業界は、コスト負担力が強いとは言い難い中小の物流事業者が大半を占めています。このようなユーザーが、容易にポスト新長期規制適合 車の導入が図れる様、トラックメーカーと国・自治体は、それぞれコスト負担を軽減する方策を講じる必要があるのではないでしょうか。

例えば、

  • トラックメーカーは、極力、現行の長期規制適合車レベルの価格で、ポスト新長期規制適合車をリリースする。
  • 国や自治体は、ポスト新長期規制適合車を低公害車導入助成金制度の適用対象とする。(新短期規制適合車移行時には、当該助成金の適用を受けられた経緯あり)

これらの対応により、多少なりとも物流事業者の負担を軽減する事が望まれます。

(文責:浅見)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第27号 2009年4月8日)

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