読者の皆様、こんにちは。
先月はDAIGOさんと北川景子さんの結婚から、国民的アイドルグループSMAPの解散騒動まで話題の多い1カ月でした。そんな中、悲しいニュースが1つありました。
それは軽井沢でのスキーバス転落事故です。
長野県軽井沢町で乗員・乗客41名を乗せたバスが転落し、大破しました。この事故により15名が死亡、26名が負傷しました。
事故の原因については未解明ですが、1つ感じたことがあります。
バス業界と物流業界には共通の課題があるということです。
共通の課題とはドライバーの高齢化です。
今回のドライバー方の年齢は57歳と65歳とのことですが、全国のバスドライバーの平均年齢は48.5歳、従業員100人未満の企業に限ると50.2歳(※1)です。ちなみにトラックドライバーの平均年齢は46.2歳、従業員100人未満の企業に限ると47.4歳(※2)となっています。高齢化を長期的視点で考えると、将来的な人手不足に陥ることは不可避に思えます。
これは国土交通省が2008年に出した、物流業界の労働力確保対策に関する試算でも述べられています。試算の中で「2015年にトラックドライバーが全国で14万人不足する」とあります。2014年時点ではトラックドライバーの人口は84万人で、ピークである2006年の92万人と比較すると、8年で8万人減っています。
また短期的な視点で考えると、加齢に伴う動体視力低下による事故増加につながります。
今後急激にドライバーの平均年齢が若返るとは考えにくいですから、何らかの解決策で高齢化に手を打たねばなりません。
様々な方法が考えられますが、今注目されているのが自動運転技術です。
一般消費者向けでは、日産が2016年中に自動運転装置付きの自動車を発売するとゴーン代表が宣言しました。矢沢永吉さんを起用したCMが印象的で、ご存知の方も多いかもしれません。自動運転機能ですが、一般消費者向けの乗用車のみならず、業務用のトラックやバスへの導入が始まっています。その一つが、ドイツではダイムラー社が開発している「Freightliner Inspiration Truck」です。
自動運転は高速道路走行時に限られていますが、ドライバーの高齢化問題の解決に向けた取り組みが動き始めています。
また、仮に完全な自動運転が可能となっても、新たな問題が発生すると考えられます。
物流で例を挙げるとすると、運転前後の業務です。
出荷元や納品先とのコミュニケーションをどのように行うのか。
そのサービスレベルが競争力のキーとなるかもしれません。
近い将来、例えば自動運転が当たり前になった時、ロジ・ソリューションとしてもお客様の課題解決に役立てるよう、アンテナを高く保ち続けることが大切なのではないかと考えております。
時代に対応するのではなく、時代の一歩先を行く。そんなコンサルタントになることが理想です。
(文責:野尻 達郎)
【参考】
世界で初めて商用の自動運転トラックが行動での走行を認可される(GigaziNE 2015.5.11)
https://gigazine.net/news/20150511-autonomous-truck-drive-road/
(※1)平成26年度賃金構造基本統計調査『職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)』厚生労働省
https://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_toGL08020103_&tclassID=000001054140&cycleCode=0&requestSender=estat
(※2)トラック輸送産業基礎データのページ『運転者の事業規模別平均年齢の推移』全日本トラック協会
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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第312号 2016年2月3日)