ゲーム制作会社でゲームデザイナーとして働いた後、物流業界へ転職された保科さん。
一見、かなり大胆なジョブチェンジのように思えますが、仕事に対して一貫した信念を持ちながらコンサルタントという職を選んだとのことです。

ゲーム制作会社から物流業界へ
―ロジ・ソリューションに入社する前はどんな仕事をしていましたか?
私は割と珍しい経歴だと思うのですが、新卒ではゲーム制作会社で働いていました。
小さい頃から女性目線の面白いゲームを作り、エンドロールに自分の名前が載ることが夢だったので、大学4年生の在学中にWスクールという形でデザインの専門学校に1年間通い知識を身に付けた後、ビジュアルデザイナーとしてゲーム会社に入社しました。
―どのようなゲームを担当されていたのでしょうか?
家庭用ゲームやアーケードゲームの2D・3Dモデリング、主に背景となるマップ制作に携わっておりました。有名なタイトルではみなさんご存じのゲームもあるかと思います。
そこで6年間勤務していました。
―そうなのですね。その後物流業界へ転職したきっかけは何だったのでしょうか?
引っ越しや子育てなど、ライフステージが変わったことです。ゲーム制作の会社は繁忙期だと終業が日付を超えることも多かったので、家庭と仕事の両立を第一に考えました。
夢だったエンドロールに載る、も叶えられましたしね(笑)
―転職する業界は物流業界に絞っていたのですか?
実を言うと物流業界に興味があったわけではなかったです。
新たな業界に飛び込みたいという気持ちと、働きやすさを考えて家から近い会社に転職しました。それがたまたま物流の会社でした。
―全く違う業種への転職のように思いますが、グラフィックデザイナーとしての経験が物流業界で活きていると感じることはありますか?
2点ありまして、逆算して考える力と俯瞰して物事を見る力が付いたと思います。
まず、逆算して考える力についてですが、ゲームはリリース日が決まっているのでどうしてもその納期に間に合わせる必要があります。
また、分業制になっているので遅れてしまうと他の部署に大きな迷惑がかかってしまいます。
ですので、期日から逆算して〇〇日までにはマップのひな形を作る、モデリングをする、テクスチャを作る、テストプレイをするなど、ここまでこれを完了させる、といったスケジュール調整は常に意識していました。
2つめは、俯瞰して物事を見る力です。
メインの業務では、チーム対戦型の3Dマップ制作を担当しておりました。1人で1マップを担当しますので、マップの考案、戦略、地形作成、ビジュアル作成、ライティング、エフェクト、全てをリリースまで仕上げなければいけません。マップのステージも実際にある自然や建物はリアルに表現しなければいけませんので、地形の広さや物の大きさ、壊れ方、接地面など、いかに違和感なく、バランスよく仕上げられるか、かつ対戦しておもしろくてわくわくするようなマップになっているか、俯瞰しながら全体を仕上げる力が必要でした。
大変な仕事ではありましたが、ゲームがリリースされてユーザーの方からの喜びの声を聞くとやりきってよかったなと感じました。達成感はひとしおです。
納期を守ること、具体的なスケジュールを組み立てること、全体を見て調整を行うことは、どの仕事においても役立つと思います。そう考えると、物流業界に限らず、特にコンサルタントの職業においても、この経験は確実に活かされていると思います。
フルフィルメント会社のパートから物流のデータ分析の道へ
―ありがとうございます。その経験を経て物流業界に転職されたわけですね。最初はどのような仕事をされていたのですか?
ECを中心としたフルフィルメント会社に入りました。
子育てとの兼ね合いもあったので、最初はパートで入社し、倉庫内で返品・交換の業務を行っておりました。
入社して3年が経った頃に、社内ではどの作業にどのくらい時間がかかったかを記載する、手書きの「作業分析表」というものが始まりました。生産性を上げる目的で始まった作業分析表でしたが、社内では“実施”はできても、生産性向上に向けての“運用”が全くできておらず、会社でそれをうまく活用できていませんでした。データは会社の資産だと思っています。その資産をどうにか有効に活用したいと思い、パートから社員となり、そこから物流に関する収支の勉強をしました。
生産性には目標設定がありますが、その目標設定は売上と費用が関わってきます。勉強を始めた当初は返品・交換の部署の収支を見ていましたが、次第に他の部署や案件全体の収支が気になるようになりました。そこから、案件全体の収支を見るようになり、拠点全体の収支を見るようになり、物流全体の収支を見ていくようになり…と、いつしか返品・交換の担当員ではなく、物流の収支担当として働くようになっていました。経理の方と仕分けについて毎日のようにやり取りしたのを覚えています。結果、その方とはとても仲良しになりました(笑)
物流を知ることは、まず全てのコストを把握することからだと思います。会社全体のコストを把握すると、会社の財務状況が分かってきます。物流部門が何か大きな決断や判断をしなければならない時、財務を見るのと見ないのとでは、会社の方向性が大きく変わってきます。
転職する2年前からは物流企画という部署におりました。
物流企画では、物流に関する収支や生産性データ、資産管理、荷主に向けての要件定義、単価交渉のための資料作成、固変分解を行った財務状況の動向データなど、物流に関するほぼ全体のデータを取り扱っておりました。そこでは物流に関するデータの一元化や標準化も行いました。直近ではデータ分析に有効なBIツールを取り入れ、各拠点の収支報告や勤怠管理、資産管理に活用していました。
―BIツールを使うようになったきっかけは何だったのでしょうか?
会社では、物流部門の他に、営業部門、CS部門、システム部門、スタジオ部門と、多くの部門があったのですが、その中で物流部門の売上高は会社の半分以上を占めていました。
会社の経営判断や方針を決定していく上で、物流の情報やデータを他の部門へ共有することはとても重要です。
それも、更新されている最新のもので、かつ同じ情報のものです。今後を左右する会社の経営判断には、情報共有するスピード感も大事でした。
ただ、当時は必要な情報が各部門間で独立していて共有されていなかったり、古いデータで試算がされていたり、重複したデータを作っていたりと社内で必要な情報がスムーズに取得できず、共有もできていない状況でした。
そこで、その解決方法はないか、と考え色々調べた結果、BIという分析ツールを知りました。
―では、BIツール自体は会社からの指示というわけではなく、会社の情報共有のために必要だと判断されてたどり着いたのですね。
はい。会社からの指示ではなかったです。ですので、まずはツールの導入のために、上司の理解を得るところから始めました。
アウトプットを実際にお見せする方が早いと思ったので、まずは1カ月間、業務外の時間を使ってBIを習得し、実際に作成したダッシュボードのアウトプットを上長や物流の取締役に見せながら提案して承認を得ました。
目的も明確だったため、BIを使って何をしたいのか、何ができるのか、どのような効果が見込めるのか、半年までのフローやその後の展開などをしっかりと説明しました。
―導入した結果、どのような改善効果があったのでしょうか?
各物流拠点の収支や各項目の作業生産性、社員やパートタイマー・派遣の残業時間、有給取得などの勤怠状況、償却費等の資産管理まで、さまざまな物流の情報を一か所で可視化することができました。勤怠関係の更新は、ダウンロードしたデータをフォルダに格納し、「更新」ボタンを押すだけの仕様にしたので、総務の作業時間や分析する時間も大幅に削減することができました。
新しいツールを導入することは手探りではありましたが、目に見える成果として結果を出すことができたので、自分にとってとても貴重な経験になりました。

ロジ・ソリューションへの転職
―そこからロジ・ソリューションへ転職されたわけですが、転職を考えたきっかけは何だったのでしょうか?
自分の会社でなすべきことが、いったん区切りがついた事が大きかったです。
収支担当になった時、漠然と「物流をまとめて欲しい」と言われましたが、自分なりに色々と考えた結果、私ができることは「各拠点で収支をみられる体制・基盤づくり」だと思いました。それをするには3年かかると見込んでいました。結果、4年ほどかかりましたが(笑)
また、BIツールを用いた業務改善の経験を通じて、会社の困りごとを解決することにやりがいを感じたことも大きかったです。私が今まで培ってきた知識や経験がどこまで通用するのかチャレンジしてみたくなりました。
―ロジ・ソリューションはもとからご存じでしたか?
転職エージェントの方からの紹介で初めて名前を知りました。
物流業界に8年間勤めていたので物流に携わる仕事か、BIツールを用いた分析の道に進もうと考えていました。
そのようなことを考えていた時に、エージェントの方から「物流コンサルタント」という職種を教えていただきました。BIツールを用いた分析の専門分野も魅力的ではありましたが、自己分析を進めていくうちに、そもそも私がしたかったのは、BIツールを使った分析ではなく、根本の困りごとを解決することだと気づいたのです。
前職の物流経験を活かし、困りごとを抱えている企業様の改善ができる「物流コンサルタント」という仕事は、今の私にベストな選択だと思いました。
―他にも物流コンサルティングの企業もあるかと思いますが、特にロジ・ソリューションに入社を決めた理由はなんですか?
入社前にカジュアル面談の機会をいただいたのですが、その際の印象がとてもよかったことが決め手の一つでした。
コンサルティングという形のないものを提供する仕事なので、やはり“人”が大事だなと感じます。面接してくださった部長たちはとても信頼できる方だと思いました。
ホームページに中途社員インタビューがあったので、会社の雰囲気やメンバーを知ることができたこともよかったですね。
他のコンサルタント会社とも面接をさせていただきましたが、どちらも個人の能力が最大の売りという印象を受けました。コンサルタントという職業ですので、当然と言えば当然かもしれません。ただ、ロジ・ソリューションは、チームで助け合って皆で動く会社だということが伝わってきました。チームで動き、助け合うことは、私がやりたいことのひとつでもありました。
―入社してみて、ロジ・ソリューションの売り・強みは何だと思いますか?
私も含めですが、異業種から来た人も多く、多様なバックボーンを持った人がいることが特徴だと思います。
チームで動くのでいろいろなメンバーと業務を行うのですが、自分にはない考え方やスキルを持っている人が多いので、日々新たな発見もあり成長できる環境だと思います。
―例えばどのようなことがありますか?
営業出身のメンバーがいるのですが、お客様にどのような順番で伝えるかを意識して商談を組み立てていて、そこまで考えて組み立てているのかと驚きました。
前職では資料作成や分析など、ひとりでコツコツ作業することが多かったのであまり営業的な視点は持っていなかったのですが、資料作成においてもお客様目線でストーリー性のある資料を作ることの大切さを学びました。
―働きやすさなどはいかがでしょうか。
とても働きやすいです。柔軟に在宅勤務などもできるので、子育てしながらでも時間を作りやすいのはありがたいです。基本チームで動きますので、相談や困りごともすぐに聞ける環境で、周りも本当に優しい方ばかりです。
最近は男性の育休制度を活用する社員もいるので、かなり働きやすい職場だと思います。
物流業界はブラックな会社が多い、とよく耳にしますが、9か月働いてきた一社員の感想としては、ロジ・ソリューションは純白のホワイト会社だと思います(笑)
―最後に、転職を検討されている方に向けて何かひとことありましたらお願いします。
物流コンサルティングと一言で言っても、非常に多様な業種・テーマなので、新しいことが好きな人はやりがいを感じていただけると思います。
私自身もカジュアル面談をしなければ入社を決めてなかったと思いますので、ぜひお気軽にカジュアル面談をしてお話ししていただければと思います。
勉強が好きな方、考えることが好きな方、何か社会の役に立ちたい方、さまざまな業務を経験してみたい方、チャレンジが好きな方、には本当にぴったりの会社だと思います。
一緒に働けることを楽しみにしております!