学生時代のアルバイトの記憶
学生時代に百貨店のお中元とお歳暮の宅配のアルバイトをしておりました。今から思えば、このころから物流業界と縁があったのかもしれません。
このアルバイトは短期間で比較的アルバイト料が稼げるため、当時は人気があったと記憶しています。運よくアルバイトとして雇ってもらえることとなりましたが、給与体系は、配送の個数に単価を掛けるものでしたので、少しでも楽をして稼ぐためには、短時間で多く配送することが必要でした。
配送エリアはアルバイトごとに割り当てられますが、その配送エリアによって効率の良いところと悪いところがあり、同じ個数を配送しても終了時間が異なるため、当たり外れがありました。1軒に多くの個数が届けられる高級住宅街、1軒に一個の配送でも近くに多くの配送先がある住宅地などは効率がよく配送が短時間で終わります。
1軒に多くの個数が届けられるのは、共同配送が効率的なことと同じですし、エリアに多くの配送があるということは、密集度が高いため移動時間が短くなり配送効率が高くなっているのと同じですが、当時はこんなことは考えてもおりませんでした。
また、アルバイトとしては配送時間を短くしたいので、配送を一度で済ませることをいつも考えておりました。当時は、ご近所への届け物を預かってもらえましたので、アルバイトとしては何とか預けて、一度で配送を終わらせる工夫をしておりました。今考えると、宅配便で問題となっている再配達をしないようにしていたということです。
仕組みで解決する必要が
現在は、配送される商品を近所に預けることは、特に都市部ではなかなかできない時代だと思いますが、その代わりとして再配達問題を解決するサービスが登場しています。例えば、自宅近くの駅にもありますが、宅配会社や通販会社が共同で使える宅配ボックス、コンビニエンスストアでの受け取りなどです。ただ、自分で購入した通信販売の商品の受取などはこのようなサービスを利用することで再配達削減に貢献できると思いますが、贈り物などはいつ送られてくるかわからないため難しい面があります。
これらを解決するため、環境省では「Cool Choice できるだけ1回で受け取りませんかキャンペーン」を行っています。これによると再配達が20%あり、これで消費されている労働力は1.8億時間で、ドライバー10人のうち1人は、再配達している計算になるそうです。
再配達の削減は、各個人の意識に任せられることが多く、なかなか進まないのではないかと思われますが、問題解決でよくやるように、仕組みで解決することを考えてみました。
例えば、宅配便会社が共同で利用できるデータベースがあり、そこに各自が標準宅配貨物受取パターンを登録しておけるようにしてはどうでしょうか。宅配便会社がその情報を入手し、登録された先に標準受取先とスケジュールをメール送信します。荷受人から受取方法や時間を変更できるようにしておけば、自分で購入したもの以外も受取情報がわかりますので、再配達は減らせるのではないでしょうか。
このようなアイデアは現実的ではないかもしれませんが、ドライバー不足で安定的な配送が心配になる時代、ドライバーの無駄をなくす観点から一度再配達問題を考えてみてはいかがでしょうか。
(文責:中谷 祐治)
Cool Choice WEB Site https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/butsuryu/
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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第366号 2017年9月6日)