IoT(Internet of Things)の実現に向けて-2

2015年11月13日に「RFID/NFCで革新する・スマートシステムセミナー」にてIoTを題材とした基調講演を担当しました。その内容についてみなさんにお伝えしたいと思います。

■実現したいことができてIoT
前号ではIoTはInternet of Things(モノのインターネット)の略称で、身のまわりにあるモノにセンサーが組み込まれていて、モノ同士、あるいはモノとヒトが相互に通信できるようになる仕組みであると述べました。センサーを取り付けたらIoTになるのか。「実現したいこと:新しい製品・サービスの開発」があった上でのIoTなのです。
自動車の自動運転を目指している「TESLA MOTORS」では、実現したいことは「自動運転」であり、そのために世界中の運転データを解析しています。そのデータは自動車に取り付けられたセンサーから得ています。センサーはデータ収集だけではなく自動運転のための機能でもありますので、センサー端末の機能改善・追加(ソフトウエアのアップデート)を行っています。自動運転実現のためのPDCAサイクルを回しているといっても良いでしょう。
最近のTESLAのソフトウエアアップデートは、「オートパイロット」とよばれるTESLAオリジナルの自動運転システムでした。車線から自動車が外れないようにコントロールする機能や、追突と側面衝突を避ける自動ステアリング機能、自動駐車機能に加えて、周囲の環境をリアルタイムで認識してパネル表示できるのが特徴。さらに、今後のアップデートで自動車が自分で学習をする機能を追加する予定です。

■世界の標準化団体の動き デファクトスタンダードはどこが作る?
IoTの概念を国策として取り入れたのがドイツです。Industry 4.0 と名付けられた施策は、第四次産業革命と呼ばれています。
「第一次産業革命 18世紀 英国中心 蒸気機関中心」
「第二次産業革命 20世紀初頭 米国中心 電気エネルギー中心」
「第三次産業革命 20世紀後半 日本中心 コンピュータ自動化中心」
「第四次産業革命 2015年~ ドイツ中心 IoT産業革命」
突然ドイツが登場して違和感を覚える方もいらっしゃるでしょう。ドイツは自国の製造業復権のために、このIoT産業革命に取り組んでいます。第三次産業革命は、大量生産、SCMの進展、グローバル化が主軸でした。第四次産業革命はカスタム生産、デマンドチェーン、賢い工場を目指しています。これに異を唱えるのが米国の「Industry Internet Consortium」であり、IoTのデファクトスタンダードを作る動きがあります。
次号ではIoTをめぐる世界的な動きを述べたいと思います。

(文責:釜屋 大和)

 

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第307号 2015年12月24日)

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