高速道路料金について:乗用車優先のETC割引への懸念

ETC割引の今後

年が明け、早いもので1ヶ月が経ちました。

年末年始で帰省や旅行などで高速道路を利用した方も多いのではないでしょうか。そこで今回はトラック輸送には欠かせない高速道路料金(ETC割引)について少し考えてみたいと思います。

国土交通省発表によるETC利用率は2009年1月9日~1月15日平均で、522万台/日、76.4%となっています。

この数値からも分かるように、4台の内3台がETCを利用していることになります。

皆さんもETCを利用していることでしょうし、私も頻度は少ないですが、利用しています。

さて、ETC利用については様々な割引制度があります。

  • マイレージサービス
  • 大口・多頻度割引
  • 通勤割引
  • 早朝夜間割引

上記以外にも各高速道路会社が独自に実施しているもの、更には社会実験、緊急総合対策と全部合わせると何十種類にもなりますが、これら全てを把握し利用している方は数少ないでしょう。

また、国土交通省は1月16日、2008年度第2次補正予算案に盛り込んだ高速道路料金引き下げの具体策を発表しました。ETC利用者を対象に

  • 地方部で、平日全時間帯を3割引に
  • 地方部で、乗用車は、土日祝日、終日5割引で上限料金1,000円 (※本四高速走行分1,000円上限 ※アクアライン走行分1,000円上限)
  • 大都市圏で、乗用車は、土日祝日(※首都高は日曜祝日)
  • 首都高速、阪神高速は終日500円
  • 大都市近郊区間は昼間3割引

上限料金1,000円となれば、高速道路を利用する方も増加するでしょうが、それに伴い渋滞も数多く発生するのではないでしょうか。

また今回の具体策の多くはトラック適用外の為、物流業界にとっては遅延等の問題も発生するのではないでしょうか。

中小企業が多い物流業界の苦悩

物流業界は中小零細企業が多く、昨年の燃料高騰のような厳しい環境の中、少しでもコストを抑える為、長時間運転になることを覚悟の上、高速道路を使用せず、土日祝日関係なく、終夜を問わず日々トラックを走らせている企業も多いと思います。

逆にETC割引を利用する為、SA・PA、料金所手前で時間調整している車輌も見受けられ、本線車道や路肩に駐車していることから、事故や渋滞の発生が懸念されるなど問題となりつつあります。

こうした様々な割引制度があり、利用者にとって安く高速道路を利用できることは良いことだと思いますが、種類が多く分かりづらいので、もう少し分かりやすくしてもらいたいものです。
更に、生活物資を日々運んでいるトラック輸送に対してもう一歩踏み込んだ割引制度を導入してもらいたいものです。

(文責:細川)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第18号 2009年2月4日)