物流KPIで非価格競争と企業体質の強化を図ろう

1.物流環境の変化と3PL市場の成長

国内輸送量は1991年に70億トンでピーク、その後下降し、2005年で56億トンに減少している。その間にトラック業者は4万社から6万社に増加しているので、競争は非常に激化し、実物流で収益を上げるのが非常に困難になってきている。物流単価は、トラック経費の60%が人件費というのに、実勢運賃で1982年のタリフがベースとなっている。更に流通加工など付加価値を付け、かつ高いサービスレベルが求められている。
メーカー、卸、小売業界では合従連衡が進んでおり、物流業界も海外企業を巻き込んだ提携や、物流子会社などの売却などが進んでいる。
日本でも3PL市場が成長してきているとはいえ、世界の3PL市場規模は47兆円、米国は14兆円に対し、日本は1兆円市場で、GDPから判断すれば日本は、3~4兆円ぐらいまで成長余地があるとも判断できる。

2.3PLの客観性を保つために

お客様がロジスティクス戦略を策定し、3PL業者がロジスティクス・マネジメントを行うという、イコール・パートナー・ロジスティクスの機能分担が行われている。
海外のアセット型3PL業者では、自社のアセット利用率を例えば20%以内に抑えることをうたい文句にして客観性を担保している企業もある。
お客様とは、サービスレベルや品質について、契約レベルにf留まらず、改善目標を設定し、成果については、評価に基づきゲインシェアリングを行う。

3.物流KPIとは

お客様が、物流のアウトソーシングによる物流業務のブラックボッス化を防止し、3PL業者の日々の業務遂行実績を正しく評価するにために、重要評価指標を設定する必要がある。それが物流KPIである。更には、この物流KPIを非価格競争のアピールポイントに活用する必要がある。荷主の物流責任者が経営トップに、業界における自社の物流のレベルを正しく評価してトップに報告できないと、永遠の単なる物流コストダウン要請が続く。
米国の物流の泰斗であるE・H・フレーゼルが発表したKPIマトリックスを叩き台にして、有志で2年間の論議をした結果、今回の物流KPIが作成された。これは、3PL業者の視点からの物流KPIとしてまとめられている。JILSも同時期に物流KPIを研究し、こちらは荷主の視点から作成されている。
評価指標には、トップ経営層、中間管理層、現場管理層の3段階で、それぞれ求める指標がある。また、荷主でないとコントロール出来ない指標、3PL業者がコントロールする指標、双方が協働しないとコントロール出来ない指標がある。
米国のトップ経営層がロジスティクスにおける最も重要な管理指標であるという完全オーダー達成率は、平均的な企業で20%程度、トップ企業でも55~60%と言われる。しかし日本では、完全オーダー達成率という概念は浸透しておらず、どこもデータを取っていない。なぜなら、OMS(荷主)とWMS(3PL業者)、TMS(トラック業者)の3つのシステムが連動して、オーダーの紐付けが出来ないと完全オーダー達成率のデータが取れないからである。
各評価項目は5段階評価を推奨しており、その水準は、データが多く集まって精練される。データは、少なくとも3年程度の時系列で蓄積し、評価することが大切である。

4.KPIを活用した今後のテーマ

第3者機関が各社のデータを集めて、業界別ベンチマークが出来るようにしたい。品質、精度、リードタイムの短縮や環境対応などのレベルを自ら量り、顧客に客観的なパフォーマンスをアピールしていくことで、現状の過度の価格競争から脱却していく必要がある。その有力なツールとして、物流KPIの業界標準化が必要である。

(文責:坂)

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