労働者派遣法の改正による物流業の影響

巷では衆議院解散、総選挙が注目されている本国会ですが、物流業界も非常に注目している法案に「労働者派遣法の改正」があります。
労働者派遣法とは正式名称を「労働者派遣業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」といい、派遣労働者の権利を守るために派遣会社、派遣先企業の規律を定めています。

この11月4日、政府は労働者派遣法の改正案を閣議決定しました。
今回の法案改正の基本的な考え方は ・派遣労働者の雇用の安定、待遇の確保 ・日雇派遣の原則禁止・登録型派造の常用型派造への切り替えの努力 ・派遣労働者の待遇改善と労災保険の整備・労働派遣事業の適正化・マージン率を含めた事業の情報公開の徹底・グループ企業内への派遣の一定の規制・偽装請負、違法派遣の対処について強い行政処置と指導監督強化のための処置であり、ワーキングプアの温床ともなっている派遣労働者の待遇を改善、今までの規制緩和による弊害の解消を目的としています。
さて一般的に言われている派遣先、派遣労働者のメリット、デメリットとしては

<派遣先企業 >
(メリット)
・固定費削減 (人件費(固定費)→派遣元への支払(変動費)。 課税仕入れ扱いにできる)。
・必要な時必要な分だけ人員の確保できる。
(デメリット)
・人材投入の効果がいまだ未知数 (派遣労働者のスキルが派遣先の期待に合わない)。
・派遣契約期間は最長3年で満了するので、後は正規採用か、3ヵ月後に再契約が必要となり、結果的に望んでいる人材を継続するには固定資に変わってしまう。

<派遣勞動者>
(メリット)
・レアな分野の業務(秘書など)の就職口を探す有効な手段。
・就業条件を設定して労働が可能なため、個人都合(趣味等)との両立が容易。
・いろいろな業務に就けるので、自分の仕事を見つけるチャンスができる。
(デメリット)
・派遣終了は派遣先都合のため、将来への見通しが不安定。
・派遣先の支払費用と労働者の給与の差が大きく、双方の仕事への期待が食い違う。
・労働内容が正社員と大差ない場合が多いのに、社内・社会に格差の偏見がある。
などがあります。

物流業界を見てみると、サプライチェーン・マネジメント (SCM)が進むにつれ、日々の物量に応じて労働力の変動投入が必要とされて、03年の日雇い派遣の自由化も伴い、需要と供給は大きく膨らんでいきました。
労働力集めが難しい物流現場は、日雇派遣労働者を中心としたオペレーション体制となっています。そして今回の改定に伴い、派遣先は、現状の「派遣社員を雇用し物流を行う」のではなく、「物流業務を業務請負会社等にアウトソーシングする」のが主流となっていき、人材確保から作業工程管理まですべてを外注化が進み、物流子会社も吸収 合併される動きが進むでしょう。
物流コストについても「労働者人数×作業工数=物流コスト」ではなく、「物流の成果=物流コスト(変動費)」が主流になると同時に派遣先の物流への負担は大幅に軽減されていきます。
また、物流会社は、正規採用を見据えた労働力の確保が必要となります。
当然日々の波動に応じた人員調整も、雇用人員の中で対応となります。
そのリスクは自社負担となるため、非常にコストがかかるようになります。
また、確保した人員を適材適所に配置しなければならず、新規顧客の開拓方法にも影響してくるでしょう。
事実、最近はこうした動きを見据えて業務請負会社への一括委託を実施または検討している派遣先の企業が増えつつあるようです。
物流業者から見たら、これをチャンスと見るか、ピンチと見るか、決断を迫られているように思えます。
いずれにせよ、物 流業者は今まで以上に収益をシビアに見た運営の舵を取っていく大航海時代がやってきたようです。

(文責:岩本)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第8号 2008年11月19日)

 

 

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