モーダルシフト

今年も後少しとなりました。物流業界においては、トラックドライバーの不足により、集車に苦労した1年ではなかったでしょうか。この状況は来年以降も続くのではないでしょうか。
そこで今回は、ドラックドライバー不足の救世主?となり得るであろうモーダルシフトについて取り上げてみたいと思います。

平成24年度の輸送機関別輸送分担率は、トンキロベースで自動車51.3%、鉄道5.0%、内航海運43.4%、国内航空0.2%、トン数ベースでは自動車91.4%、鉄道0.9%、内航海運7.7%、国内航空0.0%となっており、依然自動車輸送に偏っています。
モーダルシフトとは、貨物輸送の機関(モード)を環境にやさしい機関に転換(シフト)すること。一般的にトラック輸送を鉄道や船を使った輸送に転換することをいい、メリット・デメリットは下記のように言われています。

≪メリット≫
・CO2と排気ガスの排出量が削減できる
・トラックによる交通渋滞が緩和される
・長距離輸送でコストが抑えられる
・輸送量に対してトラックのドライバーが少人数で対応できる

≪デメリット≫
・輸送の速度(リードタイム)がトラックに比べると遅い場合がある
・天候や鉄道事故の影響を受けやすい
・トラックに比べると、運送時間や頻度に融通がきかない。運行(航)時間が決まっている
・近・中距離輸送や荷量が少ない場合では、コストが割高になる
・積み替えや積み下ろしの場所や費用が必要になる

上記のメリット・デメリットから、すべての輸送をモーダルシフトすることができませんが、冒頭で言いました通り、ドライバー不足等の昨今の物流事情を考えれば、特に長距離輸送・大量輸送においては検討に値するのでないでしょうか。
各企業様において、物流効率化や輸送手段の確保等の一つとしてモーダルシフトを一度は検討したことがあるでしょうし、既に実施されている企業様もおられると思います。
一企業だけでは無理なら、同業他社との連携、異業種との共同等、様々な枠を超えて考えていく必要があるのではないでしょうか。最近では、イオン様とサッポロビール様による専用列車が話題になっていますね。

なお、JR貨物様において、モーダルシフト実現に向け、お客様(荷主)・利用運送事業者様・JR貨物様の三位一体となった『ソリューションチーム』を設置したり、日本内航海運組合総連合会様においてもモーダルシフトを推進したりしていますので、改めてモーダルシフトについて検討してみてはいかがでしょうか。

(文責:細川 卓也)

【出所】
国土交通省『交通関連統計資料集』
https://www.mlit.go.jp/statistics/kotsusiryo.html
国土交通省『モーダルシフト』https://wwwtb.mlit.go.jp/kyushu/gyoumu/koutuu/file03/file03_shift.pdf
JR貨物『ソリューションチーム』
https://www.jrfreight.co.jp/transport/improvement/solution.html
日本内航海運組合総連合会
https://www.naiko-kaiun.or.jp/about/modal_sift.html

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第305号 2015年12月9日)