トラック運送業における燃料サーチャージ制の導入について

漁業関係者による一斉休漁から約1ヶ月後。今度は、トラック業者や農家が政府に緊急支援策を求める一斉行動に踏み切りました。
これは、『全般的な景気の下ぶれが進行する中、燃料サーチャージ制の導入だけでは直面する危機を速やかに打開できる状況ではない』と強調し、『国として可能なすべての対策を緊急に総動員する』よう要求したものでした。
現状、トラック運送業に対しては、2008年3月に国土交通省より『トラック運送業における燃料サーチャージ緊急ガイドライン』『トラック運送業における下請・荷主適正取引推進ガイドライン』が発表され行政通達されています。
この燃料サーチャージ制ガイドラインの位置づけ・効力を見ると、合理的理由が無いにも関わらず燃料サーチャージ制を導入せず、他のトラック事業者との間に不当な競争を引き起こすおそれがある事業主に対しては『立入検査』や『燃料サーチャージ制の導入等適正な運賃への変更命令』を行なうものとなっております。

また、変更命令に従わない理由別に行政処分を見ると
①トラック事業者に責がある場合:貨物自動車運送事業法第33条にて処分(業務停止命令や事業許可の取り消し)
②荷主に起因する場合:貨物自動車運送事業法第64条にて処分(荷主勧告制度の適用)
と、厳しいものとなっております。

しかし、今回の『ガイドライン』では燃料サーチャージ制導入は事業主の『申請』制であり、近畿だけでも約1万3,000社ある運送業者への働きかけ・徹底は気の遠くなるような大変な仕事であるようです。また、小規模の事業主が多い運送業において、『仕組みや計算式が分からない』『軽油価格がわからない』『軽油価格変動が激しく、値上げ交渉に手間がかかる』『荷主との契約手続きが煩雑になる』といった問題を抱えています。
しかも、トラック運送業者と燃料サーチャージ制の導入によりコストアップに繋がるであろう荷主との関係上、燃料サーチャージ制の導入推進は容易な事ではなく、2008年6月20日時点で471社のみの届出申請となっているようです。
つまり、この問題の根本あるのは、1990年にトラック業界で行われた運賃・事業者規模の『自由化』により、競争が激化し、健全な競争環境(運賃交渉力・適正な運賃収受)を保つ事が難しくなった事にあると考えます。
従って、健全な競争環境を保つ第1歩として、先ずは今回の『ガイドライン』を推進・徹底させる為に、荷主・トラック事業者ともに、燃料サーチャージ制を正しく理解し、適正な燃料サーチャージの導入を行なう事が重要ではないでしょうか。

(文責:高田)

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(ロジ・ソリューション(株)メールマガジン/ばんばん通信第5号 2008年10月22日)

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