ロボット導入は慎重に
533号を担当します加藤です。
近年、少子高齢化による生産年齢人口の減少やEC市場の拡大に伴う業務量の増加などによって倉庫現場の人員確保が難しくなってきており、この問題に対処するために物流ロボットの導入を検討される企業も増えています。しかし、物流ロボットの導入には高額な投資が必要となるため、慎重に導入しなければ人手不足は改善されても大幅なコスト増加を招くことも考えられます。本稿では、ロボット導入に先立ち考慮すべきことについてご紹介いたします。
現状のやり方を見直す
ロボットの導入の前に、今の業務のやり方を一度見直してみる必要があります。在庫は多過ぎないか、無駄な帳票を発行していないか、届け先ごとで特殊なルールがないかなど、現状のムダやイレギュラー業務を洗い出し、まずは業務のスリム化と標準化を検討していくことが重要です。在庫過多の状態でロボットを導入すれば過剰な設備投資が必要になる可能性もありますし、無くせる業務や工程をどれだけ効率化しても意味がありません。
自動化すべきポイントを明確にする
現状のやり方を見直し、できる限り業務をスリムにした上で、自動化すべき工程はどこなのか、最適なロボットは何なのかを検討していくことで導入効果が最大化されます。また、効果を試算する際には部分最適にならないように前後工程を含めた効果試算も大切です。
本来の目的を見失わない
物流DXが流行っているから、推進されているからという理由から、物流ロボットありきで改善施策を検討することはおすすめできません。あくまでも物流ロボットは改善の手段であり、業務効率化による人手不足解消やコスト削減、品質の向上が目的であることを忘れないようにしなければなりません。高額な投資をして失敗しないように、本当にロボットの導入が必要なのかという視点も持ちつつ、フラットに検討していくことが大切です。
(文責:加藤 正文)
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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第533号 2024年6月12日)