新人社員に向けて:物流の新人は何をすればよいのか?

「縁の下の力持ち」からの脱却の時代

お世話になっております。新年度の特別号を担当いたします中谷祐治です。

桜の花が咲くと春を感じますが、もう一つ春を感じるのは、新社会人と思われる人たちを見かけたときです。物流部門に配属されたり、物流事業者に就職されたりした物流の新人、また春の異動で新たに物流の担当になられた物流の新人もいらっしゃると思います。

今まで物流は、「縁の下の力持ち」のような位置付けで、企業の生産や販売を支えてきました。荷主企業は、物流業務を物流事業者に委託し、物流事業者は物流をミスなく遂行することで評価されてきました。

ところが、物流の人手不足、さらには物流の2024年問題があり、何もしなければ今まで通りの物流ができない時代となってきました。今まで荷主が物流事業者を選んでいましたが、物流事業者は人手不足の中、生き残るために効率のよい物流ができる荷主を選ぶ時代が想定されています。

このような背景から、ロジスティクスや物流の重要性がやっと認識されだしました。

正しい言葉を知るところから始めましょう

では物流の新人は何をすればよいでしょうか?

まずは、机上の学習とともに現場に出向くことで、物流について学ぶことだと思います。また、机上の学びの第一歩は、正しい単語や表現を身に着けることです。

物流に携わる方の中に、物流の機能の「荷役」を「にえき」と読んでいる方がまれにいらっしゃるようですが、物流では「にやく」です。また、物資のつみおろしは、「物資の積卸し」です。標準貨物自動車運送約款では、「積込み又は取卸し」という言葉が使われています。

特別積合せなどで顧客から貨物を集めることは「集荷」ではなく「集貨」です。標準貨物自動車運送約款では、「集貨」が使われています。貨物運送事業に関係する方々は、「貨物運送」ですからぜひ「集貨」を使っていただきたいところです。

また、共同で改革を進めるパートナーですから、「卸売業者」ではなく「卸売事業者」、「物流業者」ではなく「物流事業者」と呼ぶのがよいと思います。

いくつか例をあげましたが、そのほかにもいろいろな物流業界特有の用語もあります。正しい内容を理解しておくことが必要です。物流は、幅が広く奥が深いので、好奇心をもって気になるところからどんどん学んでいただければ、とても面白いものだと気づいてもらえると思います。

こんな変革の時代だからこそ、物流の仕事を楽しんでいただければと思います。

(文責:中谷 祐治)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第特別号 2024年4月3日)

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