物流分析手法シリーズ08【業務分析編】~業務フロー分析~

はじめに

新規物流センターの立ち上げや物流センター業務改善を実施する場合は、該当する物流センターにおける業務の内容を把握する為に、“業務フロー”を作成するケースが多くあります。今回は、この“業務フロー分析”についての概要、実施方法、メリットなどについてご紹介します。

業務フロー分析の概要

それでは、まず業務フローとは何でしょうか?

業務フローとは、一言では、「情報(帳票など)と業務の流れを示し、プロセスを可視化するもの」となります

詳細では、業務プロセスの構成単位を要素に分解し、それに流れを加え、視覚的に理解しやすい形に再構築したものであるといえます。業務プロセスの構成単位は作業ですが、作業は更にその作業をする人、使う書類、行う動作などの要素に分解されます。

具体的には、5W1H「誰が・いつ・何を・どうやって・どのくらい・どうする」まで分解し、それぞれの要素に流れを加えその間を時系列に結ぶことで表現します。

その結果として、どの部門の誰がいつ何を行って、他部門のどの担当者とどんな情報のやり取りがあるのか、その業務がどのように流れているのかが一目瞭然になります。

つまり、その結果「業務のプロセスを可視化」を得る事が業務フローの目的となります。
この業務フローを使用して業務改善する方法を「業務フロー分析」と言います。

業務フロー分析とは、現状の業務フローを基に、現状の問題点や課題を洗い出し、役割や権限の見直し、作業手順の見直しを行うことで、理想的な業務フローを作成することです。その差異が、機能強化あるいは工数削減となり、明確になる手法です。

業務フローを実際に描く場合の注意すべき点

その最大のポイントは、業務内容をどこまで盛り込むかということです。

作成者の基準により、業務フローの情報詳細度が変動する為、読み手にとっては「大ざっぱ過ぎてわからない(使えない)」「細か過ぎてわからない(使えない)」というような問題が起こります。

業務フローは、手順書では無いので、全ての項目を表現する必要はありません、どの項目に着目させたいかを考える必要があります。

例えば、例外処理については、基本フローに含めると、流れの枝分かれが多すぎて分かりづらいものになるケースが多々あります。例外処理は、別途クローズアップして表現すると、より理解が得られます。

業務フロー作成のポイント

1)業務全体を一目で見渡せる資料を作成する
2)5W1Hでフロー図を明確にして、全員の認識を統一する
3)データの流れを明確にする
4)業務フローから何を導き出そうとしているのかを明確にする

業務フロー分析の実施手順

それでは次に、業務フローを利用した業務改善の進め方(手順)はどうすればいいのでしょうか?その進め方を下記に示します。

1)現状把握

現場視察やヒアリングをもとに業務プロセスの洗い出し、現状の業務フローの作成を行う

2)問題点や課題の抽出/分析

現状の業務フローから、業務の可視化を可能にすることで問題点や課題が明確になり、その原因の把握を行う

3)解決策の立案

問題点や課題から、改善案の抽出を行い、品質向上(クオリティアップ)、費用低減(コストダウン)、納期短縮(スピードアップ)の3面より評価を実施する

4)改善提案の実施

評価に基き現段階で求めるAfter案業務フローを作成し、全体最適となる改善案の導入を実施する

5).導入評価/定着

解決策を実施した結果、業務が改善されたかどうかを検証し、修正が必要であれば修正・再評価して、定着化を図る。

問題点、課題の洗い出し着眼点

時間と作業の関係

・作業の連なりが長い(作業の数が多い)
・例外処理が多い

担当者

・作業が複数の担当者間を行き来している
・1人の担当者に作業が集中している
・担当の人数が多い
・担当の人数が少ない

媒体

・紙媒体が多く利用されている
・MS-EXCEL(R)などの表計算ソフトをよく利用している(個人あるいは部内のみで活用)
・同種の似た媒体が多く作成されている(まとめることが可能)
・媒体数が多い(参照されていない無駄な媒体、無駄な転記などが発生)

動作

・確認が多い(無駄な確認作業等が発生している)
・1つの媒体が何度も参照されている
・照会・照合が多い(無駄な照会・照合が発生している)

以上の事象が多く発生していれば、問題点や課題が潜んでいる可能性が高いと言えます。

メリット

以上のことより、業務フローを作成し、業務プロセスの可視化することでどのようなメリットが生まれてくるでしょうか?

1)業務プロセスを業務フロー化(図示)することで、誰でも共通の理解が可能となる
2)個別業務の点検により業務の見直しが可能となる(業務の重複や必要のない業務が明確化する)
3)各部門間の関係も明示されることにから、各担当者・各部署の責任と権限が明確になる。
4)部門内あるいは部門間の情報伝達の非効率が明確化になる(二重入力、転記処理等)
5)時系列の流れから、原因の因果関係を発見するのに大いに役立つ
6)一連の業務プロセスより、全体像を見ることができることため全体最適になるよう問題点や課題が解決できる

まとめ

担当者レベルでしかわからなかったものが、一連の業務を全体像としてとらえることが出来るようになり、業務における自分たちの役割や責任が明確になるため、何をしなければならないか、自分たちができることは何かが見えてきます。

つまり、今までは担当者・担当部署単位の個別対応での部分最適が、業務プロセス可視化より、全体マネジメントが可能になり、全体最適へ近づきます。

(文責:LSコンサル第5グループ/沖原、北村)

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