背景・経緯
2010年春頃、某化学品メーカーから外部倉庫に保管している商品を圧縮し、キャッシュフローを改善したいというご要望を受けた。先方は製品郡ごとの在庫量や在庫月数は把握していたが、どのアイテムを廃棄対象にするのか、単純に在庫月数が大きいからといって廃棄に踏み切っていいものか、と悩みを抱えていた。そこでロジ・ソリューションは、施策実行に向け在庫圧縮コンサルティングを実行した。
提示したアウトプットは下記の2点。
1)出荷・在庫データから把握できるアイテムごとの実態見える化と評価
2)様々な切り口からの特性把握・改善の方向性提示
在庫月数や出荷数といった基本的な現状把握を1)で行い、総体的な現状分析とアイテム別の現状実態(明細)を提示した。続いて、複数の視点から見たアイテム別評価基準を2)で提案し、最終的な廃棄判断については、荷主側主導で行っていただき、ミッション達成に向けた動機づけを行った。
詳細のコンサルティング分析方法については下記の通り。
コンサルティング事例
目的
- 在庫の現状実態を定量的に把握し、過剰在庫を減らしたい。
- 在庫削減によってコストダウンとキャッシュフローの改善を図りたい。
- 総在庫量を現行1.69か月から1.26か月(目標25%減)に圧縮し、倉庫費用の削減と倉庫の運営効率を向上させたい。
提供したノウハウ等
出荷・在庫データから把握できるアイテムごとの実態見える化と評価
在庫量プロット分析
在庫月数プロット分析
出荷頻度プロット分析
取引ユーザー数プロット分析
様々な切り口からの特性把握・改善の方向性提示
販売金額の視点
例)出荷量ではなく、販売金額ベースでのアイテムの格付けを行い、収益源になっているアイテム、全く売れないアイテムの特性を把握し、管理する。
需要のバラツキの視点
例)需要のバラツキの小さいアイテムは在庫管理しやすい。逆にバラツキのあるアイテムを明確にし、対策を検討する
生産ロットの視点
アイテムカラーの視点 等
在庫削減に向けたアイテム別の評価方法の提示と具体的対策
効果・総評
効果
- 20%(達成率80%)在庫削減達成
- 定期的なアイテム別現状在庫実態把握(定例会の開催)
- 長期滞留品在庫削減実行
- 生産ロットの見直し検討・実行
- 全体在庫最適化への環境整備
総評
- 在庫圧縮コンサルティングを行い上記施策実行した結果、20%の在庫削減を実行することができた。
- 現状の在庫実態を総体的にとらえるだけでなく、アイテムごとに詳細を見える化し、多くの視点から評価することが大切である。
- 在庫は生きている。荷主の大切な商品在庫のステータスを定期的に分析し、生産部門と販売部門を巻き込んで定期的にメスを入れるときではないか。
まずはお手持ちのシステムから取得可能な大量データをロジ・ソリューションにお預け下さい。
御社の在庫実態を把握し・評価するところから始めましょう。
(文責:狭間 敦史)
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