最低限の人員での業務を強いられがちな物流現場
550号を担当いたします松本です。
昨今の物流現場では、コスト削減や労働力不足の影響で必要最低限の人員で業務を行っているところが多いのではないかと思います。そんな中担当者の急な休みや退職などにより、物流センター内で作業担当者の変更が頻発し、現場が混乱することも増えていないでしょうか。
そのようなときのリスク管理の1つとして、『作業業務内容の見える化』が重要になってきます。『作業業務内容の見える化』とは、誰でも業務全体の流れやルールを一目で把握できるようにすることです。そのために、まず業務内容・ノウハウをまとめた業務マニュアルを文書化することが初めの一歩となります。業務マニュアルがあることで、業務の品質を保ち、誰が実行しても正確かつ効率的に業務を遂行できます。また、年末年始等の一時的な業務量増加時においても、不慣れな作業応援者が一目で業務を把握できるようにしておくと、忙しい時期にスムーズに教育ができ効率的です。もし今職場で業務マニュアルが存在しない、あるいは業務マニュアルがあっても更新・活用されていないのであれば、業務を整理・体系化し業務マニュアルを作成して、見える化することをおすすめします。
業務マニュアル作成のポイント
では、業務マニュアルはどのように作るのが良いでしょうか。以下に手順とポイントをまとめます。
1.対象業務範囲の決定とスケジュール化
まず、どのような業務があるかを一覧表にします。流れ作業のように毎日行っている業務ほど、いざひとつひとつを言語化・図解しようとすると時間がかかるものです。優先的にマニュアルが必要な業務を選定し、対象の業務範囲を決めます。マニュアル作成にどの程度時間がかかるかを把握し、スケジュール化してから取り掛かりましょう。
2.内容は簡潔に、わかりやすく
全体の流れをイメージし、目次・見出しなど構成を決定します。業務全体の流れに沿って作業の洗い出し、ルールを確認しながらまとめていきます。業務に慣れていると、業務に関する知識が前提となり、専門用語を多数使用しがちですが、簡潔に初心者でもわかりやすくすることを心掛けることが大切です。専門用語には注釈などをつける、表・図・写真・画像を使用した解説なども活用する等を行い、文字の羅列にならないようにします。手順を記載するだけでなく、その作業を行っているのはなぜか、背景や理由を明確にしておくことも業務理解を深めるために必要です。また、勘所やチェックポイント、間違いやすい点は特にルールを明確にし、詳細を記載しましょう。
3.チームで共有
作成したマニュアルをチーム関係者で共有することも重要です。他人の目でみることで、さらに違った視点で加筆修正点を発見し、より正確で使い勝手のよいマニュアルとなります。
4.常に更新
マニュアルは一度作成したら終わりではなく、更新していく必要があります。
見やすい・検索しやすい・更新しやすいマニュアルであることが、業務を行う人が変わってもマニュアルを有効活用できるポイントです。
以上のポイントを抑え、業務マニュアルを作成・共有しておくことで、突然担当者の変更を余儀なくされた場合も問題なく業務を継続できます。また、マニュアル作成過程において、無駄や無理のある作業に気づき業務プロセスの見直しを進めるなど改善に繋がります。
まずは身近なところから業務の見える化を検討し、マニュアルの整備、作成を進めてみてはいかがでしょうか。
(文責:松本)
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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第550号 2024年10月9日)
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