今日からはじめるサード・パーティー・ロジスティクスその7:3PL化の課題(荷主側)

荷主側の経営者が考えるべきこととは

3PLによる荷主のメリットは、前回に考えてみました。今回はそのための課題をもう少し考えて見ましょう。まずもっとも大切なことは、経営者が3PLについての認識を高めることが必要な点です。

物流業務の委託は、今まで物流部が行っていても問題がありませんでしたが、ロジスティクス領域になると話は異なります。ロジスティクスは経営そのものですから、3PL化は経営者が意思決定する案件ですし、ロジスティクス改革は全社的プロジェクトです。その判断を下すためには、3PLを十分理解することが必要です。

次に、「サービス=無料」の認識の改革が必要です。物流事業者大手は、実務を受けるために提案を無料で実施するのが一般的です。ただしロジスティクス提案は、いろいろなノウハウが必要で専門家の力を部分的に借りる場合もあるでしょう、また、期間や工数も掛かりますので無料では難しいものです。サービスは無形ですが、無料ではないのです。

また、コンペや提案のアイデアを無断利用する企業が残念ながらあります。具体的には、3PL業務を受託するための提案を、この内容を利用して自社の改善業務をすすめたり、現行委託先の料金交渉材料としたりしているような場合です。3PL事業者は、業務を受託するためにはノウハウを開示する必要がありますが、無断で利用されることが心配な状況ではどこまで提案すればよいか困ってしまいます。このことで提案内容がラフになるようなことがあれば、結果として委託する側が最適な委託先を選択できないことにつながり、自らがよい結果を得られないこととなります。

もう一点は、3PLを選定する基準が必要なことです。3PL化を進めたいと思っても、どこに委託すればよいのかわからない場合や一般的に有名だからと選んでしまう場合です。名前を知っている物流会社が最適とは限りません。

御社では、3PLが十分理解されていますか?

(文責:中谷)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン・ばんばん通信特別号 第7号 2009年4月13日 担当:中谷 祐治)

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