ますます拡大するEC市場とEC物流:前編

ECとは

ECとは、Electronic Commerce = e-Commerceの略語であり、和訳では電子商取引となります。インターネットやデジタル専用回線のようなコンピュータネットワーク上での電子的な情報交換によって、商品やサービスを分配したり売買したりすることを指します。

電子商取引は1980年代後半頃より増え始め、取引形態はBtoB、BtoC、CtoCの3つに区分することができ、インターネットの普及にともない市場を拡大、特に2000年頃からの約10年間の飛躍的な成長は、目を見張る物があります。

2009年度経産省調べではBtoC/EC市場は約6.7兆円前年比+10%、百貨店業界の約5.8兆円を超え、景気悪化・消費低迷が続く中、以前堅調な伸びを示しています。

市場規模とEC化率
2006年2007年2008年2009年(前年比)
市場規模4.4兆5.3兆6.1兆6.7兆(+10.0%)
EC化率1.30%1.50%1.80%2.1%(ポイント)

※EC化率:全ての商取引における、電子商取引(EC)による取引の割合

EC(電子商取引)を少し掘り下げて説明します。

EC市場は、食品・生活用品(ネットスーパー)、アパレル(衣類・シューズ)、書籍、DVD、音楽CD、家具・家電など多岐に渡り、商流は、eマーケットプレイス(BtoBの大規模な企業間取引)、オンラインショップ/eショッピングモール(BtoC通信販売など)、オークションサイト(主にCtoC)などに区分できます。

主に企業同士の取引、物販、情報提供サービス等で構成され、現在では消費者と生産者が直接取引きするなど既存の流通経路を変革し、価格引下げなどを実現しています。個人商店をはじめGMS、百貨店、量販店、大手ECモールなど多業界多メーカーが参入しています。代表的なものとしてAMAZON.COM、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどは、一度は耳にしたことがありますよね。

EC市場は実店舗からネット店舗へとインターネット時代の変革で発生した産物と言い換えることができます。今後もインターネットを活用した様々なビジネスモデルが増えていくことが予測されます。

経産省「平成21年度電子商取引に関する市場調査」によると、過去1年間の間にインターネットショッピングを利用したことがある人の割合は93.4%に達しており、購買におけるチャネルとして、インターネットは既に欠かせないものとなっていることが伺えます。

ECのメリットとデメリット

では、なぜここまでEC市場が急成長しているのかメリットとデメリットを考えてみます。

メリット

<購買者として>

・実店舗を持たずに済むため、設備コストが節約でき、ネットショップの開業が容易販売商品と情報インフラ(ECサイト)があれば立上げ可能
・ネットショップであるため、地理的な制限が無く世界市場を相手にすることが可能
・営業時間の制限が無くなる

<購入者として>

・商品の流通段階が省略できるため、低価格で商品が購入できる・インターネットの利用で利便性が高い(時間、実店舗迄の移動などの制約がない)

デメリット

<購買者として>

・代金回収など取引上のトラブルリスクがある
・インターネット上、ネットショップ間で価格の比較をされやすい
・ネットショップ上での物販の場合、物流工数が発生する

<購入者として>

・販売者が見えにくい
・商品実物を直接見たり触ったりすることが出来ない
・個人情報漏洩の危険性がある

次に物流の視点から考察していきます。

EC物流は、電子商取引に伴う物的流通、すなわちeコマースに伴う、輸配送の他、保管、荷役、流通加工、物流情報処理といえます。

※後編につづく

(文責:筑井)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第142号 2011年9月7日)

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