読者の皆さんの中で年末年始に帰省のために車を利用し、その際に高速道路のETCレーンを使って入退場した方がいるかと思います。このETCの利用が本格的に始まったのは2001年11月なので約14年が経過しており、30歳未満のドライバーの中には高速道路の料金所渋滞を経験したことがない方もいるのではないでしょうか?うらやましい限りです。
そこで質問です。ETC2.0をご存知でしょうか?
答えはインダストリー4.0、USB3.1と同じように今までのETCがバージョンアップした新規格のことです。
国交省のホームページに詳細があるので是非、上記URLを見て頂きたいのですが、今までとの大きな違いは「ITSスポットを通して集約される経路情報を活用した新たなサービスへ拡充」できる点にあるようです。
新たなサービスの拡充の中で特に物流業界へメリットがありそうな点が数点考えられるので、その点について列挙したいと思います。
- 渋滞回避支援:カーナビと連動してドライバーの渋滞回避を支援(要カーナビの0対応)
- 安全運転支援:落下物、渋滞末尾情報などの情報を提供
- 経路情報 :特殊車両、大型車両の経路確認と通行許可の簡素化
- 民間サービス:車両の出入管理としてフェリー乗船の簡素化
個人的には昨今のドライバー不足からくるドライバー拘束時間の改善にもつながるように物流拠点の入場門にITSスポットを設置し、わざわざドライバーが物流事務所へ入場報告をしなくて済むようにし、そのデータをもとに接車バース指示を物流拠点システムからドライバーのスマホに送信できるようになるといいかと思います。
またETC2.0を使うには従来の車載器では対応できないためETC2.0対応の車載器が必要であったり、ITSスポットといった無線通信設備のインフラ整備が必要なため、まだまだ利便性を体感できるようになるには時間を要するかもしれませんが、是非とも活用したい新規格かと思います。
(文責:濱野 高益)
ETC :Electronic Toll Collection System 電子料金収受システム
ITS :Intelligent Transport Systems 高度道路交通システム
【参考】
DSRC https://ja.wikipedia.org/wiki/DSRC (Wikipedia)
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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第310号 2016年1月20日)