589号を担当いたします山田です。
Merry Christmas!!本日は12月24日、子供たちが胸を躍らせながら眠りにつく日であり、サンタクロースが最も忙しくする日、クリスマスイブです。
さて、サンタさんと言えば赤い服を身にまとった、白髭のちょっと小太りで陽気なおじさん、というイメージがありますが、その実たった一晩で世界中の子供たちにプレゼントと笑顔を届けて回る物流のエキスパートです。子供たちの欲しいもの調査から始まり、プレゼント作り、包装、配達までを1件の間違い・汚破損もなく正確にやってのけます。まさに神業ともいえる仕事を毎年こなすサンタさんですが、彼の生産性は一体どの程度なのでしょうか。
サンタさんが何人いるのか、いつ仕事をしているのか具体的なことは分かりませんが、日本担当のサンタさんが一人いると仮定します。日本の全児童にプレゼントを届ける場合、1,417万3千人、983万5千世帯が対象です。
配達に間に合うよう、プレゼントの準備は12月23日までに済ませていると仮定します。サンタさんは一日も休まず働くとしたとき、欲しいもの調査は前年の12月26日から始まります。つまり、調査から包装までを363日(2,904時間)で行っています。プレゼントは児童数と同等の1,417万3千個必要ですので、1時間当たり約4,880個ものプレゼントを準備していることになります。1個約0.7秒という驚くべき速さです。実際にはエルフがサンタさんのお手伝いをしていますので、(サンタさん一人+エルフの人数)×0.7秒をかけて1個のプレゼントを準備しています。
配達のリミットはたった一晩なので、さらに迅速に行わなければなりません。クリスマスイブの22時からクリスマスの6時までの8時間で終わらせるとしたとき、1時間で約177万2千人、122万9千世帯に配達する必要があります。一人当たり約0.002秒、一世帯あたりだと0.003秒です。人の瞬きが約0.1~0.15秒なので、我々が瞬きをしている間に約33~50世帯の50~75人の子供たちにプレゼントを届けていることになります。
この驚異的な生産性を達成するためには、作業では極限まで無駄を省いた運用設計、配送では最適な配送ルートの構築が欠かせません(サンタさんの生産性は実現できません)。
サンタさんのすごいところは生産性だけではありません。子供たちの欲しいものを見極める確かな需要予測、決して欠品しないプレゼント生産および在庫管理、エルフたちをまとめ上げる統率力、事故を起こさず安全にトナカイを乗りこなす技術、誤配を許さない正確無比な配達、そして顧客満足度100%であること、どれも物流事業者が喉から手が出るほど欲しい能力・技術ばかりです。
高生産性、高品質、高満足度なサンタクロース物流を達成することは困難を極めますが、サンタさんのように顧客から愛され続けることは可能であると考えます。そのためには、顧客のことを第一に考え、顧客と伴走することが重要です。これは物流事業者においてだけではなく、多くの事業者に共通していることではないでしょうか。
(文責:山田 沙矢)
(参考)
- 厚生労働省 「2023(令和5年)国民生活基礎調査の概況」 10.pdf(2025年11月15日取得)
- 総務省統計局 「人口推計(2023(令和5年)10月1日現在)-全国:年齢(各歳)、男女別人口・都道府県:年齢(5歳階級)、男女別人口-」 統計局ホームページ/人口推計/人口推計(2023年(令和5年)10月1日現在)‐全国:年齢(各歳)、男女別人口 ・ 都道府県:年齢(5歳階級)、男女別人口‐(2025年11月15日取得)
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