信号機から見えてくるエネルギー問題について

今回は、先般の計画停電により、その重要性がクローズアップした信号機について触れたいと思います。まず、信号機とは、鉄道や道路における交通の安全を確保、若しくは交通の流れを円滑にするために、進行・停止などの信号を示す装置のことです。信号機の表示する信号の意味は道路交通法に基づき道路交通法施行令で規定されています。緑色は「進むことができる」を表し、黄色は基本「止まれ」を意味しています。但し、停止線で止まる時に危険が伴う場合に限り進むことができます。赤色は「進んではいけない」です。

では、信号機が消灯している場合はどうなるのでしょうか?信号機が消灯している場合は信号機の効力はなくなり、信号機が存在しないものとして一般的な通行方法をとるようになります。また、交差点で停電・事故・災害・道路工事などの理由により、警察官が手信号で交通整理を行っている時に、手信号と信号機の表示が違っている場合は、信号機でなく手信号に従わなければなりません。

下記表1は、交差点における死亡事故件数の推移を表しています。信号機の有無でみると信号機無しの方が件数で多いことがわかります。しかしながら、交通量の多い市街地の交差点では必ず信号機が設置されており、その役割の重要性がわかると思います。また、交差点での死亡事故は年々減少しており、平成14年に比べ平成23年は43%減となっています。

表1.交差点における死亡事故件数の推移(各年5月末)
[交通事故統計より]

その大きな要因として、今まで信号灯には電球が使用されており消費電力が70Wもかかっていたものが、平成14年頃から消費電力が15Wに抑えられたLED(発光ダイオード)式の信号機が普及してきたことが考えられます。皆さんが住んでいる主要道路でもLED式に変わっているのではないでしょうか?LED式導入のメリットは、エネルギー使用量が少ないことにより電気料が安くなること。交換寿命が長く(現行1年交換から7年程度へ)なること。そして、電球と違いLED式は小さな集合体のため全体が消灯することがないこと。また、日差しが当たって発光しているように見間違えることが少ない(認識し易い)ことなどがあげられます。

デメリットとしては、導入コストが高いことがあげられます。また、寒冷地ではLED式は発熱が少ないことから、霜や氷、雪などが付着して見えなくなることもあるようで、北海道ではLED式は導入されているものの普及率では他の都道府県に比べ低くなっているのが実情のようです。

この夏震災の影響により、電力不足が懸念されおり、各所で節電の言葉を目にし、聞くことが多いと思います。信号機も同様の流れになっており、消費電力の少ないLED式導入の予算組みが行われ急速に普及しています。一方、停電に備えた対策として、計画停電を実施した時に、信号が消えた交差点で事故が発生しており、各都道府県や警察などが安全や災害対策を見直す中で、「停電時でも点灯する信号機」が注目されるようになりました。その1つとして、群馬県では31機が軽油で動く発電機を備え付け、停電時に自動的に発電機が稼働し、約40秒以内に再び点灯することができるものです。また、徳島県では30カ所の信号機の柱などに蓄電池(リチウムイオン電池)の電源装置を設置し、停電すると瞬時に蓄電池に充電した電力で点灯するようになります。信号機の数で点灯時間は異なりますが2~8時間程度、10年以上メンテナンスが不要と言うことで、新たに10カ所増やす予定です。東京都内においては100カ所に導入する計画をたてています。蓄電池なら発電式の燃料補給が不要となり、作動時間や維持管理の点から今後も普及すると思われます。

国内にある約20万機の信号機は電力会社が供給する電力を使って稼働しいていることから災害等で停電した場合、交通渋滞や事故を誘発するケースも発生します。電力を蓄電する方法は技術的、コスト的にまだまだ難しいことから「発電即消費」が原則になります。電池を代表とする蓄電技術において、もし大容量の蓄電が可能となれば、節電のみでなく原発問題にも大きな進展を与えるのではないでしょうか?

(文責:沖原)

【参考】
・フリー百科事典「ウィキペディア」信号機
・交通事故統計(平成23年5月末)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第134号 2011年7月13日)

 

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