コロナ禍だからこそ学びたい産業財(BtoB)マーケティング3「マーケティングにおける消費財(BtoC)と産業財(BtoB)の違い」

前回(こちら)は消費財(BtoC)マーケティングと産業財(BtoB)マーケティングの違いについて、購買目的を中心に説明しました。今回はその続きで市場特性と購買における意思決定の違いについて説明したいと思います。

前々回(こちら)では、伝統的なマーケティングのフレームワークに従って、市場を細分化(セグメンテーション)して標的市場を定め(ターゲティング)ようとしても、そもそも細分化できるほどの顧客数が存在しなかったという失敗談を紹介しました。まさに市場特性(需要構造、ニーズの異質性)の違いを象徴していると言っても過言ではないでしょう。消費財(BtoC)の場合は市場が不特定多数で、同質的なニーズを持ったグループが形成されているケースが多いです。しかしながら、物流サービスでは宅配便のような消費者向けのサービスを除いて、顧客が特定されているケースがほとんどではないでしょうか。また、顧客のニーズに合わせてサービス(輸送、保管、荷役)をカスタマイズすることも少なくないため、顧客ニーズの異質性は比較的高い部類ではないかと思います。そういった市場特性の違いが、前述の理論と実践にミスマッチを生んでいるといえます。

また購買における意思決定も消費財(BtoC)と産業財(BtoB)で大きく異なります。当たり前かもしれませんが、消費財(BtoC)の意思決定は基本的には個人が行います。しかしながら、産業財(BtoB)では購買組織による意思決定が基本と考えられます。物流サービスの場合は、顧客企業の物流部が購買窓口となることが多いですが、最終的な意思決定にあたってはさまざまな組織が関与しています。顧客の各部門(営業、マーケティング、R&D、生産、物流等)との関係性を管理し強化することで、信頼感や紐帯感が形成されていくのも産業財(BtoB)ならではの特徴といえます。

消費財(BtoC)と産業財(BtoB)のマーケティングにおける違いの説明はここまでです。以降で、マーケティング戦略構築ステップの全体像をご説明したいと思います。『戦略的産業財マーケティング』では、マーケティング戦略構築のプロセスとしては、下記7ステップが紹介されています。

  1. 現状分析
  2. 基本方向の設定
  3. コンセプトの設定
  4. 提供物・価格の明確化
  5. 販売チャネルの設計
  6. 販売促進の検討
  7. 営業活動の検討

次回以降は上記7ステップについて一つ一つ紹介していきたいと思います。次回は戦略構築の第一歩である現状分析について実例を交えながら説明したいと思います。

(文責:野尻 達郎)

【参考資料】
『産業財マーケティング・マネジメント(理論編)』マイケル・D・ハット、トーマス・W・スペイ
『戦略的産業財マーケティング』笠原英一

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『流通ネットワーキング』最新号(3・4月号)に本稿筆者による関連記事「3PL事業におけるマーケティング1」が掲載されております。よろしければご覧ください。

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(ロジ・ソリューション(株)メールマガジン/ばんばん通信第450号2021年3月24日)

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