アイスクリームの容器を回収し、次のお客様に販売するには?(ラテラルシンキングについて)

問題です。
昔々、あるお店ではアイスクリームを金属の容器に入れて販売していました。しかし、中には容器を返してくれないお客様もいて、困っていました。容器がなければ次のお客様にアイスクリームを販売できません。さて、どうしたでしょうか?

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この問題は『ずるい考え方~ゼロから始めるラテラルシンキング入門』という書籍にて、1904年にアメリカで開催された万博博覧会での出来事として紹介されていたもので、解答は『焼き菓子を円錐状に加工し、アイスクリームを乗せて販売した』とのことです。『容器がなければ販売できない』という前提条件に縛られず、返さなくても良い方法を考えたのです。今では当たり前となっているアイスクリームのコーンは、一説によるとこの時誕生したとのことです。

今回は、『ラテラルシンキング』という思考方法についてのお話しです。ラテラルシンキング(Lateral Thinking: 直訳すると水平思考)は1967年頃にエドワード・デボノが整理し提唱した思考法で、どんな前提条件にも支配されない自由な思考法であると説明しています。
ロジカルシンキング(論理的思考)は前提条件を整理し、モノゴトを順序立てて論理的、時には定量的に分析し、深く掘り下げ、『正解』を導く考えです。彼は従来のロジカルシンキングは垂直思考(Vertical Thinking)であり、思考を深める為、また論理性を高める為には有効であるが、新しいアイディアは生まれにくいものだといいます。一方、ラテラルシンキングはモノゴトの本質を捉え、思考の幅を広げ、前提条件や常識、先入観や固定概念にとらわれない自由な発想をもって、『回答』するもので、新しいアイディアを生み出すことに有効な思考法だといわれています。

ラテラルシンキングについて議論する様々な書籍等では、ビジネスシーンでの実例として商品開発やマーケティングが多く挙げられています。変化の速い時代だからこそ、他社とは違うアイディアを出そう、その為にはラテラルシンキングがとても有効だということのようです。ラテラルシンキングは商品開発やマーケティングに有効、これも先入観の1つかもしれません。
冒頭で紹介した問題、私には静脈物流のお話だと思いました(職業柄でしょうか)。ラテラルシンキングは、商品開発やマーケティングに限らず、物流を含めた様々なシーンで有効な思考法だと思います。本記事をご覧の皆様も、様々な課題を抽象化し、別の視点から捉え直してみては如何でしょうか?

例.既存の輸送事業者は値上げ要請ばかりで、輸送費は上がるばかりだ。もっと安い事業者はいないか?
⇒ いまの輸送(輸送量)は本当に必要なのだろうか?

例.車両不足もあり、指定された納品時間が守れない。どうしたら車輛を集めることができるだろうか?
⇒ 納品時間を守れない場合、どのような問題があるのだろうか?

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(文責:松室 伊織)

【参考文献】
エドワード・デボノ著 『水平思考の世界~電算機時代の創造的思考法』(講談社、1969年1月)
木村尚義著 『ずるい考え方~ゼロから始めるラテラルシンキング入門』(あさ出版、2011年5月)

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第291号 2015年8月19日)

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