いま一度、下請法とは?

平成16年4月より改正されて以来、言葉としては、かなり浸透してきている下請法ですが、物流分野の違反事例は平成20年で171件と全業種の中でワースト1位という状況になっております。これは、理解不足や間違った解釈によって、親事業者からの要求をそのまま受け入れてしまっている下請事業者や、親事業者が気づかぬ内に違反行為を犯してしまった結果だと思います。特に親事業者については、一度、公正取引委員会から勧告・公表措置を受けてしまうと企業の信用を落としてしまうことになりかねず、大きな損害を被る恐れがあります。

下請法は、正式名称を「下請代金支払遅延等防止法」と言い、親事業者による下請事業者に対する優越的地位の濫用行為(代金の減額、支払遅延、買いたたき等)を取り締まるために制定された法律です。そのポイントを説明しますと、次のようになります。

1.対象となる事業者及び取引内容
下請法が適用される取引かどうかは、「委託する業務内容」「親事業者と下請事業者の資本金」の2つによって規定され、物流業が関連するのは以下の場合です。
(1)委託する業務内容
物品の製造・修理委託及び政令で定める情報成果物・役務提供委託を行う場合
※政令で定める情報成果物作成委託…プログラム
※政令で定める役務提供委託…、運送、物品の倉庫における保管、情報処理
(2)親事業者と下請け事業者の資本金
事業者と下請業者の資本金は、下図のような関係になります。

2.親事業者の義務
親事業者が下請事業者に発注する際は書面を作成して下請業者に交付し(※1)、支払期日を定め(※2)、取引に関する記録として書類を作成し保存する(※3)義務があります。
また、下請事業者に支払いが遅延した場合は、遅延利息を支払う(※4) 義務があります。
(※1)書面の交付義務、(※2)支払期日を定める義務、(※3)書類の作成・保存義務、(※4)遅延利息の支払義務

3.親事業者の禁止事項
親事業者には11項目の禁止事項があり、親事業者と下請け事業者間の合意があっても、また、親事業者に違法性の意識がなくても、これらの規定に抵触するときは下請法違反となります。平成20年度の発生件数を見ると、下請代金の支払遅延が866件と最も多く発生しております。
(1)受領拒否…6件
(2)下請代金の支払遅延…866件
(3)下請代金の減額…97件
(4)返品…6件
(5)買いたたき…68件
(6)購入・利用強制…50件
(7)報復措置…0件
(8)有償支給原材料等の対価の早期決済…15件
(9)割引困難な手形の交付…221件
(10)不当な経済上の利益の提供要請…19件
(11)不当な給付内容の変更及び不当なやり直し…26件

4.罰則等
下請法に違反した場合は公正取引委員会より勧告または警告等の行政指導が行われ、企業名を含めてその概要が公表されます。また、違反の内容によっては50万円以下の罰金が課されます。

最後に、下請法はあくまでも元請業者/下請業者間取引に適用されますが、独占禁止法の物流特殊指定により、同指定の対象となる荷主には下請法とほぼ同様の禁止事項が定められています。
気づかぬうちに禁止事項を犯しまっていた、という事態を防ぐために一度、チェックしてみてはいかがでしょうか。

(文責:鍋田)

【参考】
公正取引委員サイト http://www.jftc.go.jp/

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第44号 2009年8月12日)

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