社員インタビュー 荒木なつみ(戦略コンサル部R&D推進グループ所属・2022年2月入社) 

東大とドイツの大学でギリシャ・ローマ考古学を研究し、博士号を持つ荒木さん。内資と外資を幾つも経験しながら職歴を重ね、2022年にロジ・ソリューションに入社しました。

日本のビジネスを強くしようという熱い思いを持ち、社内では歯に衣着せぬ物言いで知られていますが、ロジ・ソリューションには入ってみないとわからない良さがあると力強く断言します。

ドイツで考古学を学んだ後、ユニクロに

ロジソリューションに入る以前は、どこでどんなことをしていましたか? 

 東京学芸大と東大で勉強した後にドイツに留学して博士課程で古代ギリシャ・ローマ考古学を研究していました。2016年3月に卒業してPh.Dを取り、日本で就職しました。まず2年間、ユニクロと西武百貨店の池袋本店に入っている三省堂で働きました。

 ユニクロは環八沿いにある世田谷千歳台店という、900坪くらいある大きな元旗艦店です。

 従業員が160人くらいいる大きな店で、準社員という身分でフロアで販売をしたり、40人くらいいる学生アルバイトの管理をしたりしていました。三省堂はアルバイトで、雑貨部門を担当していました。だから週6日くらい働いてました。 

博士課程を出て大学の先生になるということは考えなかったんですか? 

 帰国した後に東大や早稲田や慶応の人たちがやっている研究会に参加させてもらって様子を見てみたんですが、20年前とまったく同じ研究をしている。まったく進捗が無いってことに気づいてしまって。あ、日本は研究ではもうダメなんだなと。

 20年前と同じ研究者しかいないし、同じ論文しか書かないし。

 私がやっていた古代ギリシャ・ローマって西洋のものですよね。そしたら、西洋の人が研究したものを日本語に翻訳して、満足するみたいな。限られた人たちが限られた世界で論文を出して満足していて、世界の最先端の考古学を、後追いの後追いの後追いをするくらいの……。 

最先端の考古学というのはどういうものなんですか? 

 航空写真や衛星写真から遺跡の形を割り出して、その遺跡がこの文献のここの部分に出てくる都市と一致するというような研究であるとか、発掘されたものが古代ローマのこの歴史を塗り替えるようなものであるというような分析をしたりとか。 

お金がかかりそうですね。 

 はい。たかが3ヶ月や4ヶ月の発掘に1億円かけるような(笑) 金持ちの道楽なんですよ。

 日本ではそういう理解もないし、そういう研究のためのポストドクトラルフェローのポストを作ってくれるような大学は日本では東大と上智と慶応くらいで。そこも自分の教え子にそういうポストを回すのが精一杯という状況です。ですから外国で博士号を取って日本で研究者になるというのは、日本の博士号より難しいことなんです。外国の博士号の価値を認めないんですよ。自分たちを守るので精一杯なんですよね。

 そんな中に無理やり入っていって、あなたたちのやっていることはおかしいと言うよりも、むしろビジネスの中で新しく出来ることを見つけて自分を楽しませることの方が、生きる価値があるかなと。博士号を持っているのでドイツに戻ればいくらでも研究は続けられますし。でもビジネスって、それまで経験がほぼ無かったんで、今出来ることといったらこっちかなと。新しいことをやりたくなりました。 

パナソニックを経て外資へ

ユニクロの次はどちらに? 

 2社目はパナソニックのグループ会社の人材派遣会社から、パナソニックのインナーコンサルティングの仕事を1年7ヶ月していました。新規事業開発や新規製品開発をする部門のお手伝いです。たとえば電池事業部や水道事業部が新製品を作らないといけないとか、売上を100億あげなければいけないというときに、自分たちだけではアイデアが出ないのでインナーコンサルティングの人間を呼ぶんです。あなたたちが持っているものに中に素晴らしいシードがありますよとか、これを名前を変えて売り出しませんかというようなことをするのがインナーコンサルティングでした。 

いきなり業種が飛びましたね。 

 考古学者のやることの半分は肉体労働なので、体を使う仕事は慣れていたんですが、せっかく博士号も持っているのに頭脳を活かすことがユニクロでは難しかったので、パナソニックのインナーコンサルティングが面白そうだなと思って。この時は博士号を持っていることと語学力を評価されて採用されました。日本語、ドイツ語、英語、フランス語、イタリア語……。 

そんなにいっぱい語学が出来るんですか! 

 ドイツで論文を書くには不可欠だったので。 

パナソニックの次はどちらに? 

 その次は正社員になりたかったので、日本の専門商社に入りました。ドイツのワインとビールを輸入する会社で、当時で27店舗のレストランも経営していました。めっちゃブラックで、3ヶ月で辞めました。超絶ブラックでやばかったです(笑) その次は正社員の仕事が見つからなかったので、リクルートからの派遣でジョンソン・エンド・ジョンソンに。そこの購買部が治験の契約も締結出来るようにする、コントラクト・アナリストという仕事をしていました。ここは満期で8ヶ月おりました。 

この世のありとあらゆる場所を見て回るような、時空を越えた職歴ですね。 

 実はそういう就職を狙っています。

 その後はドイツ商工会議所でコーヒーを飲んでいたら、ドイツ人に「ドイツで博士号を取ったんだったらアメリカの会社じゃなくてうちで働け」と誘われて、ドイツの商社に正社員として入りました。ここは3年いました。そこではドイツの製品を日本で売る新規事業開発や営業の仕事をしていました。在籍期間の最後の1年間は日本支社にSAPを導入するプロジェクトのマネージャーも兼任していました。私はそういうことはまったくやったことが無かったんですが。ドイツ本社やアジア地域のエンジニアたちと一緒になって、それをやりました。 

SAP導入って普通はSIerやアクセンチュアみたいなコンサルファームがやるものじゃないですか? 

 ケチなんですよドイツ人は(笑) 外注で1億円かかるところを6000万円でやるために、社内のシステムエンジニアや導入先の支社の人間に全部やらせるんです。社内DX部隊も置かずに。ただし日常業務は滞らせるなと。 

それは恐ろしいですね 

 いやあ……すごかったですよあのときは(笑) よく稼がせていただきました、とだけ。その時にSAP導入を最後までやらせてくれたシステムエンジニアたちは、インナーコンサルティングという立場だったんです。その人たちが凄く輝いて見えたんですよ。それで、コンサル悪くねえなと思っちゃって、次やるならコンサルだなと思って探していたらうちの会社(ロジ・ソリューション)が見つかったと。 

アクセンチュアみたいなところではなくて? 

 そういうところのSAPの導入者ってみんな技術者じゃないですか。私は営業やマーケティングというユーザー目線のプロジェクトマネージャーだったので、導入される側の会社では需要はあっても、導入する側では仕事が無いんです。それと、ドイツの商社で働いていたときに一番不可解だったのが物流だったんです。

物流の世界へ

物流が不可解というのは? 

 ドイツと日本の商習慣が全く違うからです。ドイツはDHL1社が物流を独占しています。ドイツという国は、喩えるとヤマトさん1社しかいないとか、日通さん1社しか居ないみたいな状態なんですよ。DHLは11兆円企業で、それに比べると日通さんでも2.5兆円。センコーは6000億円。日本は小さなプレイヤーがたくさんいて、その最大の弊害は言葉が通じないことなんです。 

会社が違うと話が通じないですよね。 

 言葉が違えば、やり方も違えば、システムも違うと。統一性が全くないですよね。

 ドイツのように1社の仕組みで全て統一された国のやり方を理解した人間が、日本のやり方を理解するのはすごく大変なんですよ。日本で仕事する上では日本の物流をわかっている必要があります。物流コストって売上の4-5%くらいになりますから。

ところが調達物流を含めて各社がバラバラに請求してきますし、物流企業ごとに強みも売りも違うし、使っている言葉も違う。それを、ドイツはDHL1社が仕切っているんですよ。調達物流、販売物流、国際物流。なので、わけわからんと。ドイツの商社だからドイツのやり方で日本で展開しようとする。でもそれが出来ないというジレンマがあったんですね。 

日本にもDHLはありますが。 

 DHLはあっても、実際に荷物を運ぶのは日通さんだったり西濃さんだったりするので、ドイツのやり方は通用しないんです。日本の物流はわけわからんというのが正直なところで、だったらその物流のコンサルになってみようと。 

ロジ・ソリューションの最初のイメージは? 

 面接の前にウェブサイトは見ましたが、正直古臭いし……。

 私がそれまで働いてきた会社って、ウェブサイトにお化粧をする会社ばかりだったんです。会社を魅力的に見せる。ところがロジ・ソリューションは何をしている会社かわからなかったんです。こんな自己主張が弱い、でも俺たちは凄いって言っている会社は無いよなと。だから入ってみようと思いました。 

普通は逆じゃないですか? 

 私はそれまで、給料が良くて仕事がホワイトという職場で働いたことが無かったんです。

 ドイツの商社もグループで8000億円売り上げてますが、日本支社は売上の良くない辺境の子会社という扱いだったんです。ショックだったのは、私はドイツで博士号を取ったのであちらではエリート扱いだったんですが、ドイツの会社でも日本支社にいるなら対等な人間としては扱われない。奴隷のような存在なんだという構造を見てしまったんです。

 自分がお世話になった国がそういうことをしている、言ってみれば外資による侵略ですが、これは日本の真面目な、普通の会社に入って日本を強くしていくしかないんだなと思ってしまいました。ドイツに対する反抗期ですね。 

ロジ・ソリューションに入ってみてイメージは変わりましたか? 

 得体が知れない会社だなという印象が、入ってみて、すごく人が良い人たちの会社だなという印象に変わりました。 

得体が知れないというのは、どういった意味ですか? 

 私にとっては、日本画を見た時のような感覚ですね。私はもともと西洋美術史専攻だったので、西洋絵画は見れば何を描いてあるかすべて理解出来ます。 

20世紀絵画もですか? 

 20世紀絵画も何故そうなったのかはわかります。日本画だけはわからないんですよ! 

日本画は違いますか? 

 日本画に描かれている題材って現代の我々が見ても理解不能だと思うんですよ。

 日本画って、ちゃんと説明を追っていかないと何を描いているかもわからないし、何故ここにこんな空間があるのかとか、何故この形の松なのかとかもわからない。狩野派というものがあって、松で大広間を飾ることが当時の富の象徴だったとか、そういう説明がないと、日本画をどう評価していいのかわからない。侘びって何ですかとか、どうしたらさびになるんですかとか、伝統や慣習や雰囲気だけで感性を語る日本画の世界に、ロジ・ソリューションの印象は似ていました。 

狩野永徳「紙本墨画花鳥図」安土桃山時代

入ってみたら日本画が理解出来るようになりましたか? 

 何を価値として彼らは仕事をしているのかが理解出来るようになりました。入ってみないとわからないですね、これは完全に。入社して1年と5ヶ月経ちますが、ロジ・ソリューションを好き、嫌い、どちらかに振れることは無いですが、働いていて嫌じゃないです。 

DHLのドイツ本社からヘッドハンティングが来たらどうします? 

 行くかもしれないですね(笑) 給料と労働時間を見て決めさせて頂きます。 

外資と内資の違い

聞くところによるとDHL社員はドイツ本社でもひたすら戦い続ける必要があるそうですけれども。 

 私は12年間ドイツで博士課程に居たので、戦うことには慣れています。戦うことへの忌避感は無いです。戦う場所があるならいくらでも戦います。 

ロジ・ソリューションでは戦っていますか? 

 戦っていないです。戦うまでもなくシナリオが決まっているので。上の人が結末まで考えてシナリオを作っている。ドイツの場合は、そのシナリオはおかしいんじゃないかとか、このシナリオを書いた役員の発想は間違っている、とか、それで従業員は本当に幸せなのかとか、様々な戦いがあらゆる場所で勃発して、ひどいときには何も成せない。 

ドイツのいい話になるかと思ったら違いました。 

 そうですよ。みんなの意見がぶつかって火花が散って戦争になって、生まれないものとか、悲しみしか残らないことも多いと思うんですよ。

 でもそれだけ戦う経験をしているってことは凄い経験値ですし100回戦って1ずつ進むというスピード感があるんですよね。

 日本は1のことを通そうとするために皆が文句も言わずに黙々と働く。そこでは経験値が貯まらない。1から始まって予定通り5まで行ったよと。でも5を越える成果は無いんですよ。ドイツでは1から5に行くまでに100の戦いが起きて、1.5進んだと思ったら3戻るみたいなことを平気でやっているんだけれど、最終的に6や7まで進んでいたということも起きえるんです。日本は誰も戦わないですね。

 すいません、なかなかロジ・ソリューションの良い話になりませんね(笑) 

ロジ・ソリューションの強み、良さ

ロジ・ソリューションではどんな仕事をしておられますか? 

 新規事業開発というセンコー本体の部署のための推進サポートという業務を担当しています。センコー株式会社のM&Aのサポートです。買収先候補のデューデリジェンスをして、買収提案を役員に届ける仕事です。物流会社のデューデリジェンスは専門の人がいますので、私はデューデリジェンスの資料を役員に届ける役割です。 

職人ロールですね。 

 はい。今は職人ロールですね。いずれ戦場に出られるように頑張ります。 

ロジ・ソリューションに入社してからこれまでで最も印象に残っている出来事を教えてください。 

 入社のときに制服のサイズを聞かれたことです。

 今も女子社員には制服があって、一瞬入社を辞退しようかと思いました。着なくても良いと言われたので実はまだ封も開けていません。それまでTシャツとジーンズみたいな服装でずっと働いてきましたから(笑)

 今となっては笑い話なんですが、当時はショックを受けました。

 それと初めて本社の5階のオフィスに足を踏み入れた時に、役所かと思ったのも印象に残っています。派手さが全くなくて緊張感あふれるオフィスです。ドイツの商社は社長の部屋にずかずか入っていって、頼もう! みたいな雰囲気でしたから。J&Jはフリーアドレスでしたし。 

ロジ・ソリューションの強みは何だと思いますか? 

 センコーグループの一員だということですね。それによって他の物流コンサルティング会社とは違う形での営業が出来るというのが強みだと思います。 

ロジ・ソリューションへの入社を考えている方にメッセージをお願いします。 

 「入ってみないとわからない」(笑) 

いきなり全てを振り出しに戻すようなメッセージですね。 

 いや、本当にロジ・ソリューションに入って私は後悔していません入って後悔はしない会社だと思います。これで良い締めの言葉になると思うんですが(笑) 

メールマガジン登録フォーム

ロジ・ソリューション株式会社が2008年から配信している物流業界特化のメールマガジン「ばんばん通信」の登録フォームです。以下にお客様の情報を記入して「送信」をクリックしてください。毎週、弊社コンサルタント陣が執筆するコラムが配信されます。