公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会の2022年度物流コスト調査報告書によると、全業種における物流コストの物流機能別構成比は、輸送費が55.1%、保管費が16.9%、その他(包装費、荷役費、物流管理費)が28.0%と、輸送費が最も大きいことがわかります。
物流費のコスト管理では、物流センターのコスト削減や効率化がよくテーマに上がると思いますが、輸送費の管理についてはいかがでしょうか。
現状の定量的把握から
輸送費の管理・コスト削減・効率化にあたっては、まず現状を定量的に把握することが大切です。はないでしょうか。輸送の管理の方法には、例えば、下記のようなものがあります。
- 号車別収支管理(車両毎の売上・原価・利益の把握管理)
- 荷主別収支管理(荷主毎の売上・原価・利益の把握管理)
- 商品などの区分別収支管理(荷物種別等、特色別の区分での売上・原価・利益の把握管理)
- 実働率(保有する車両の運行可能な総日数に対して、実際に稼働した総日数の割合)
- 実車率(保有する車両の走行キロ数の内、実際に貨物を積んで走行したキロ数の割合)
- 積載率(保有する車両の最大積載量に占める実際の積載量の割合) など
これらを行うメリットとしては、現状が効率的に運行できているか、売上・原価を把握できることで、利益のでている仕事なのか把握できることや、今後仕事を受託するときに利益のでる仕事なのか検討できることなどがあります。また、全体だけでなく個別に把握することで、良い箇所、悪い箇所を見つけることができ、改善活動につながる可能性があります。
実務者も管理・分析を
管理や分析というと、本社部門や事務係が報告して終わりということにもなりがちですが、上記の管理内容は、ぜひ実務者に確認していただきたい管理方法です。
実際に配車している担当者や現場担当者だからこそ、なぜ利益が出ているのか、出ていないのか理由がわかり、より活用できると思います。
(文責:真壁 由香)
【参考文献】
『2022年度 物流コスト調査報告書【概要版】』2022年4月発行 公益社団法人 日本ロジスティクスシステム協会
『中小トラック運送事業者のための経営改善対策ガイドブック』社団法人全日本トラック協会
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