最後まで届けない物流(通販商品受取サービスについて)

土日に届けてもらうのが同業者として申し訳なく

私個人の嗜好から話し始めて恐縮なのですが、私は通販があまり好きではありません。一人暮らしをしていた頃、某大手通販サイトで絶版本を注文しました。

しかし、平日は仕事で遅くなるので受け取れず、かといって土日に届けてもらうのも同業者として申し訳がなく、不在通知を片手にどうしようかと、悩んでしまったからです(結局、日曜に届けてもらいましたが)。それ以降、通販を利用していません。私と同じ(?)考えの方は少なからずいらっしゃるようです。

経済産業省のアンケート調査結果では、通販利用で不安・不便に感じていることとして『受け取りの際に自宅に待機しなければならない』という意見を挙げた方は21.2%(2013年度)いらっしゃるという報告がありました※1。
物流は、生産者と消費者との時間的・距離的なギャップを埋める業務だといわれていますが、上記のアンケートご意見を挙げられた方々は、ご自身が受取可能な時間と宅配便の配達時間との時間的なギャップに不便を感じられたものと思います。その為、各社様々な受け渡し方法を設けています。

以下、最近の動向を2点ご紹介致します。

コンビニでの受取サービス

2014年10月29日の日本経済新聞朝刊にて、セブン&アイ・ホールディングスは2013年6月に開設したネット事業専用物流センター(埼玉県久喜市)に、イトーヨーカ堂、そごう・西武、ロフト等、グループ企業がネット販売で扱う商品を在庫する体制を構築し、『セブンネットショッピング』で購入した書籍や雑誌、一部専門店商品に限定されていたセブン-イレブンでの店頭受取サービスの対象となる商品を150万品目に拡大、また首都圏の7,000店舗で注文の翌々日までに商品を店頭受取できるようにし、返品にも店頭にて対応する、という記事が掲載されました。
更に2015年以降には店頭受取対象商品を300万品目に拡大し、注文当日に店頭受取ができるようにすることも計画しているそうです。

なお、ネット事業専用物流センターからセブン-イレブン各店舗への配送は、既に店舗への配送網を持つ出版取次事業者のトーハンが請け負うとのことです。

以前より、コンビニエンスストアの配送網や宅配便業者の配送網を利用し、通販商品をコンビニエンスストア店頭で受取できるサービスはありましたが、従来の方法と比較すると、商品注文から受取までのリードタイムが短縮すること等が期待されているようです。

郵便局での受取サービス

2015年1月15日の日本経済新聞朝刊にて、楽天は日本郵便と連携し、『楽天市場』で注文した商品を、日本郵便が都内の郵便局に設置する予定の『ゆうパック受取用ロッカー』で受け取ることができるサービスを、同年4月以降に開始すると発表したという記事が掲載されました。

注文主は、商品の注文時に届先として日本郵便のロッカーを選択すると、商品がロッカーに届いたタイミングでメールにて通知を受け、メールに記載されたパスワードをロッカーの電子パネルで入力すると商品を受け取ることができるそうです。

他方、楽天は独自の『楽天BOX』による通販商品受け渡しサービスの試験運用を2014年から始めており、2015年中に関東関西を中心に全国50か所に設置する予定とのことです。

ロッカーを利用した受け渡しサービスは、通販会社ではamazon.comがアメリカ国内で、物流会社ではDHLがドイツ国内でそれぞれ先進的に展開していますが、設備への初期投資費用や固定費化、荷物の滞留といった課題が挙げられています。

別件ですが、私が配車を担当していた際、特別積合事業者(路線事業者)の『営業所止め』を希望されるお届先様がいらっしゃいました。朝一から商品を使うには路線会社の通常の配送時間では間に合わない為、出勤途中に営業所に立ち寄り、受け取り、そのまま職場まで運ぶそうです。

このケースも先に紹介しました通販商品受取サービスについても、時間的ギャップを埋める為の距離的ギャップの負担を、距離的ギャップが許容し得る範囲であった為に、受取側が負担をしています。もしかすると、負担を感じていないかもしれませんし、むしろ好きな時に受け取れるということにメリットを見出している場合もあるかもしれません。
また、受取場所をコンビニエンスストアやロッカー等に固定化することにより、配送先が不特定多数から特定少数に、配送ロットが小ロットから中・大ロットになることにより、輸送費がダウンする効果も期待されます。

このような受取サービスが簡単に利用でき、更に商品価格に輸送費ダウンが反映されると、私も通販が好きになるかもしれません。

(文責:松室)

【参考文献】
平成26年8月 経済産業省
平成 25 年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る 基盤整備https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/H25_besshi3_hokokusho.pdf 

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(ロジ・ソリューション(株) メールマガジン/ばんばん通信第280号 2015年3月26日)

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