IoTという技術が登場してから数年が経過しました。現在では、IoTはもはや「新技術」ではなく、生成AIの台頭によってより成熟した技術といえます。実証実験止まりから脱却できた領域としては、製造、物流、エネルギー、インフラなどが挙げられます。物流分野においても、温度IoT(冷凍・冷蔵・医薬品)、車両動態・到着予測、パレット・コンテナのトラッキングなどが既に実装されています。ややイメージが湧きづらいかもしれませんので、簡単な事例を以下にご紹介します。
生成AIで冷凍冷蔵倉庫の温度管理をサポート
従来の温度管理はどうだったのか
1)温度が上限を超過
2)アラート発報
3)担当者が温度計のグラフを確認
4)対応方法を上司が判断
IoT × 生成AIだと温度管理はどうなるのか
1) 温度が上限を超過
2)アラート発令(生成AIが以下を文章で出力)
・〇時〇分に温度が-18℃から-15℃まで上昇しましたが、上昇時間は12分です
3)生成AIが状況について説明
・保管品Aの許容逸脱時間は30分です
・その後速やかに復帰しています
4)対応方法をAIが判断
・よって品質リスクは低いと判断されます
・荷主への報告は不要ですが、次回同条件発生時は注意喚起してください。
20数年前、私自身も似たような仕組みを考えていました。植物工場において土壌湿度をセンサーで計測し、一定値を下回るとスピーカーから「喉が渇いたので、お水が欲しいな」と話しかける装置です。「植物がしゃべることができたら、こんなことを言うのではないか」という発想ですが、生成AIの目まぐるしい進化により、IoTの重要性は改めて高まっていると感じます。そこで、今一度IoTの概念を振り返ってみたいと思います。
IoTの概念
IoTとは、RFID(Radio Frequency Identification)やセンサーなどの自動認識技術を用いて「モノ」の情報をインターネットに接続し、ネットワークを通じて情報の取得や対象物の制御を可能にする技術・アーキテクチャ・利用方法までを含めた概念です。
現在、インターネット上を流通している情報の多くは、人の手によって入力されたデータや、デジタルカメラで撮影された画像など、人の作業を介して生成されたものです。また、それらの情報を活用する主体も多くの場合は人です。
IoTの概念では、モノが人手を介さずに直接インターネットに接続され、あたかも自らの個体識別情報、位置情報、環境情報を自律的に発信しているかのように捉えることができます。人の作業を介さずに情報が発信されることで、作業時間による制約が減少し、ヒューマンエラーも抑制され、より正確かつ詳細なモノの状態をリアルタイムでネットワーク上に反映できるようになります。
これにより、現実世界のモノがネットワーク空間上に詳細なオブジェクト(実態)として再現されます。さらに、現実世界で状態・位置・周囲環境に変化が生じた場合、それらが自動的にネットワーク上のオブジェクトに反映されるようになります。システム上からは、これらのオブジェクトにアクセスすることで現実世界の状態を把握でき、逆にオブジェクトを操作することで現実世界のモノを制御することも可能になります。
物流分野でも活躍するIoT × 生成AI
センサー技術の進展により、人間の五感を代替して情報を検知することが可能になってきました。生成AIが普及していなかった時代には、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚から得られた情報を蓄積し、BI(Business Intelligence)によって可視化・分析し、人が判断する使い方が主流でした。しかし、その「判断業務」そのものを生成AIに委ねることで、IoT活用の利便性はさらに高まります。
物流分野での活用例として代表的なのが、動的ルート再計算と配送最適化です。車両位置をIoTで取得し、生成AIがリアルタイムに最適な配送ルートを生成します。交通状況、天候、配送制約、CO₂排出量など、複数の変数を同時に考慮し、従来の静的な計画よりも柔軟で動的な再計画を可能にします。
活用方法はまだまだ広がる余地があります。最新のセンサー技術を用いた自動化・機械化にとどまらず、生成AIを活用した次の一手を考える必要がありそうです。
文責:(釜屋 大和)
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